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MKI、SAPのクラウドERPを導入へ 作り込みを排除し半年での本番稼働を目指す

 三井情報株式会社(以下、MKI)は14日、SAPジャパン株式会社の次世代クラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」、開発プラットフォーム基盤「SAP Cloud Platform」、アナリティクスソリューション「SAP Analytics Cloud」を全社導入すると発表した。

 MKIでは、これらの製品・サービスを利用して、グループ基幹システムをクラウドへ移行するプロジェクトを2019年6月より開始。国内では例の少ない、クラウドサービスの標準機能に業務を合わせる「Fit to Standard(標準への準拠)」に先行的に取り組むとのことで、これによりプロジェクト期間を短縮し、2019年12月中の本番稼働を目指すとしている。

 なお営業支援サービスについては、営業部門の一部で利用していた、株式会社セールスフォース・ドットコムの「Salesforce Sales Cloud」を展開する。

作り込みを排除しクラウドサービスによる迅速な導入を目指す

 MKIでは、過去に7社が合併した経緯があり、取り扱う製品・サービスも幅広いことから異なる業務プロセスが混在してしまっている。また基幹システムとしては、2013年よりSAP ERPを利用してきたが、業務に合わせてシステムを拡張した結果、システムが複雑化し、業務プロセスの見直しが求められていたとのこと。

 こうした背景から同社は、営業部門の社内事務手続きにかかる工数削減および業務標準化を検討しており、「シングルインプット/マルチアウトプット」を目的に、営業部門の一部で利用していた営業支援サービスのSalesforce Sales Cloudを全営業部門に展開することにしたという。

 あわせて、「Salesforce Einstein」によるAIを利用した未来予測の向上、マーケティングオートメーションツール「Pardot」による営業活動の支援および効率化を実施。プリセールスでの営業部門社員の働き方改革を支援する。

 また技術の進化に追随するためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)を体現することが重要と考え、既存のオンプレミス型ERPであるSAP ERPから、クラウド型ERPであるSAP S/4HANA Cloudへの刷新を決定した。

 同社では、これをSAP Analytics Cloudと組み合わせて、迅速かつ正確な経営の意思決定に役立てていくことを目指す。

 あわせて、このプロジェクトを通じ、クラウドサービスの利用を第一候補とする「クラウド・バイ・デフォルト」の体現、およびFit to Standardに取り組み、ここで得た知見を活用して、顧客へのクラウド導入を積極的に支援する考えだ。