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日本マイクロソフト、現場で働く人に向けた取り組みを強化 支援センター開設も

 日本マイクロソフト株式会社は18日、建設現場や病院、店舗といった現場の最前線で働く従業員(ファーストラインワーカー)の働き方改革を推進するため、本格的な取り組みを開始すると発表した。

 同社では2018年、働き改革を次の段階に進める取り組みとして「働き方改革Next」を発表し、主に「最前線で働く人々」「ミレニアル世代」「2020年教育改革」に注力するとしていた。その中で今回の発表は、最前線で働く人に向けたものとなる。

昨年発表した「働き方改革Next」について

 日本マイクロソフト 執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長 兼 働き方改革推進担当役員の手島主税氏は、働き手の中に占めるファーストラインワーカーの数が半数以上を占めているにも関わらず、IT活用はあまり進んでいないことを指摘。また、働き手の全体数が減少傾向にある一方で、現場では外国からのインバウンドによる需要が高まるなどして顧客との接点や業務量が増えていることから、「さまざまな業界や業種で、効率化だけでは業務がカバーできない状況になってきている。人口減少に合わせ、これまでにないようなイノベーションを起こす必要がある」と語る。

日本マイクロソフト 執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長 兼 働き方改革推進担当役員 手島主税氏

 この取り組みの一環として、同社は6月3日付けでクラウド&ソリューション事業本部内に「X(クロス)インテリジェンス・センター」を開設する。同センターは、データ、クラウド、エッジデバイスのスペシャリストで構成され、顧客企業のデータの見える化を支援、データ活用によるインテリジェンスの獲得を顧客と共に実現するという。

 「データをどのようにつないで見える化し、どう業務に生かすのか、その手法がわからない顧客は未だ数多い。Xインテリジェント・センターでは、日本マイクロソフトのデータスペシャリストが、顧客の事業理念に基づいてデータ活用ができるよう、テクノロジーとメソドロジー(方法論)で支援する」(手島氏)。

 具体的には、例えばデータを収集して分析し、機械学習や人工知能(AI)でどのようなことができるのか顧客と検討するほか、CRMやERPなどのデータを共通化することで、どの業務がどうつながるのかといったことを見極めていくという。「クロス」の意味は、「顧客の持つ社員、製品、カスタマー、業務などのデータと、マイクロソフトのテクノロジーとメソドロジーを掛け合わせるところから来ている」という。

「Xインテリジェンス・センター」を発表

業界向けソリューションも用意

 またマイクロソフトは、業界に特化したソリューションで顧客のデジタルトランスフォーメーションを推進するとしている。

業界に特化したソリューションにも注力

 会見では、Microsoft TeamsのWeb会議で登壇した小柳建設株式会社 代表取締役社長の小柳卓蔵氏が、2017年4月より両社共同で実施しているプロジェクト「Holostruction」について語った。

Web会議で会見に登場した小柳建設 代表取締役社長の小柳卓蔵氏

 Holostructionは、ホログラフィックコンピューターの「Microsoft HoloLens」を活用し、現実の世界に三次元ホログラフィックを重ねて投影することで建設現場のイメージを再現、危険な現場などの確認ができるというもの。小柳氏は、Holostructionの実用化に向けた有償トライアルを7月より実施することを発表した。

 「自社内の働き方改革を進めつつ、自社のトランスフォーメーションを他社とも共有し、建設業界全体の働き方改革にも貢献していきたい」と小柳氏は述べた。

「Holostruction」の有償トライアルを発表