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ドコモ、製造ラインの稼働状況をリアルタイムに可視化・分析できるIoTサービス

既存機械の入れ替えは不要

 株式会社NTTドコモは8日、中小規模の製造業向けに、製造ラインの稼働状況をリアルタイムに可視化・分析できるサービス「docomo IoT製造ライン分析」を、同日より提供すると発表した。既存生産機械の入れ替えをせずに、安価に稼働状況を可視化・分析できる点が特長という。

 このサービスは、製造機械に取り付けた加速度センサーで振動を計測し、機械稼働データの可視化・分析を行うもの。加速度センサーから収集した稼働データは、IoTゲートウェイを経由してクラウドへ送信され、稼働可視化や分析が行われるという。

 具体的には、生産数量に関する目標設定/実績の可視化、到達度を確認する「生産数量分析」や、製造品1個あたりの機械稼働時間を可視化し、工程間の稼働時間比較によりボトルネック工程を特定する「ボトルネック工程分析」などが可能。

 製造工程ごとの機械非稼働時間を可視化し、短時間の休止が繰り返し発生している状態(チョコ停)、長時間にわたる停止が繰り返し発生している状態(ドカ停)の発生時間、回数を把握する「チョコ停・ドカ停分析」にも対応する。

 さらにオプションとして、製造現場の生産性改善を専門とするコンサルタントが、分析データをもとにした課題特定と改善提案を行うサービスも開始する予定で、こちらの提供開始は2019年夏ごろを予定している。

 NTTドコモでは、サービス提供開始にあたり、中小製造業でのIoTを活用した生産性向上に関する実証実験を実施しており、例えば薬品メーカーでは、製造機械の生産数量や稼働状況の分析を通じて、約10%の生産能力向上を確認できたとのこと。

 また自動車関連部品メーカーでは、稼働率分析の結果、従来の人手による機械稼働率計測に比べ、実際の稼働率が約20%低いことが判明し、製造時間の短縮余地があることを確認したとしている。

 価格例(税別)は、センサー5個の場合、初期費用(稼働データ収集キット・設置作業費)が25万円。月額利用料(稼働可視化・分析システム)が3万円。別途、IoTプランの回線契約と「mopera Uシンプル」などのプロバイダ契約が必要となる。

センサーの取り付けイメージ。センサーの大きさは約3cm四方、重さは約10g