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ソフトバンク、2つのモバイル回線を利用し信頼性を高めたVPNサービス「Twinアクセス」の利用受付を開始

 ソフトバンク株式会社は2日、VPNサービス「SmartVPN」のアクセスラインアップに、2つのモバイル回線を用いる「Twinアクセス」を追加し、利用受付を開始すると発表した。

 「Twinアクセス」は、2回線のモバイル回線を使用して、両方の回線を常時アクティブの状態で接続するアクセス回線サービス。独自のパケットコピー技術を利用し、複製した同一データを常時アクティブ状態の2回線のモバイル回線に送信し、先に到着したデータを採用する仕組みで、2回線のモバイル回線を切り替えてアクセスする方式と比べて通信品質が改善されるため、安定した通信を行えるという。

 またモバイル回線は、ソフトバンクのモバイル回線を2つ使用するプランに加えて、ソフトバンクと他事業者のモバイル回線を組み合わせて利用するプランが用意されており、異なる通信事業者の回線を組み合わせることで、高い冗長性を確保できる。

 通信は、インターネット網を経由せず閉域性を確保したVPNに直結し、かつ暗号化により安全性を確保。電波強度やトラフィックの運用状況は、ユーザー向けポータルサイト「SmartVPN Web」でいつでも確認を行える。

 利用にあたっての回線工事は不要で、専用端末を置くだけで利用開始可能。短期利用の需要に対応するため、最低利用期間の条件がないプランも用意され、催事場などでも迅速にネットワーク構築を行えるとした。また今後は、5G(第5世代移動通信システムG)への対応も視野に入れている。

 ラインアップは、回線の組み合わせが「ソフトバンク」「他事業者回線」の「タイプSD」と、両回線をソフトバンクの回線とする「タイプSS」の2つを用意する。また回線速度も、最大10Mbpsの「ハイスピード」、最大128kBPSの「ロースピード」から選択可能だ。通信速度はベストエフォート。また「ハイスピード」は、一定のデータ容量を使用すると速度制限がかかる。

 なおソフトバンクでは、Twinアクセスのサービス提供に先立ち、約1年間にわたるフィールドトライアルをさまざまな業種の顧客と共同で実施してきたとのことで、その結果、DSLやデジタルアクセス(DA)などのメタル回線を使用している店舗のPOSデータや、銀行のATM用の回線などの利用環境において、代替のアクセス回線として信頼性の面でも問題なく利用できることを確認したという。

 また、ケーブル敷設工事を必要としない、モバイル回線の特長を生かし、工場や催事場での利用や、物理的な回線の切断による通信障害の長期化などに備えたバックアップ回線として利用したいという要望があったとのことだ。