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ヴイエムウェア、2019年はクラウド、ネットワークとセキュリティ、働き方改革に注力

 ヴイエムウェア株式会社は19日、2019年の取り組みについて説明会を開催した。今年の注力分野として、同社 代表取締役社長のジョン・ロバートソン氏は、「クラウド事業を加速させる。また、ネットワークとセキュリティの変革を進め、デジタルワークスペースも促進する」と述べた。

ヴイエムウェア 代表取締役社長 ジョン・ロバートソン氏
2019年の注力分野

 クラウド事業は、主にハイブリッドクラウド、マルチクラウド、アプリケーションの分野で事業を推進する。ヴイエムウェアは、ソフトウェア定義型データセンターという概念を提唱し、ハイブリッドクラウドの普及に貢献してきた企業だが、この分野で今後も「顧客企業のプライベートクラウドとパートナーのクラウドとの連携を進める」とロバートソン氏。

 また、2018年8月にはマルチクラウドの運用プラットフォームを提供するCloudHealth Technologiesを買収したことについて触れ、「同プラットフォームを活用すれば、AWSやGoogle、Microsoftなどのクラウドはもちろん、日本のサービスプロバイダーが提供するクラウドも管理できるようになる。この技術でマルチクラウド化を推進していきたい」としている。

ハイブリッド/マルチクラウドについて

 アプリケーション分野については、「今後もコンテナへの投資を続ける」という。2018年11月には、Kubernetesの導入や運用を支援する企業Heptioを買収しており、コンテナが同社にとっての注力分野のひとつであることを強調した。

 ネットワークとセキュリティに関しては、昨年度(2018年2月~2019年1月)のグローバルでの実績が前年比50%増の13億ドル事業となったことに触れ、「2017年に買収したソフトウェア定義型WANソリューションを手がけるVeloCloud Networksが大きく貢献した」とロバートソン氏。この分野には大きな波が来ているとして、今年もさまざまなソリューションを展開すると述べた。

 デジタルワークスペースの促進は、働き方改革に直結する事業で、「特に日本でのビジネスが大きくなるだろう」と語る。「日本では通勤が大変なだけでなく、みな遅くまで働いている。そこで、まず働き方改革ソリューションを提供しているヴイエムウェアが自らそのソリューションを活用して働き方改革に取り組んだ」(ロバートソン氏)

 こうして在宅勤務ができる環境を整え、柔軟な働き方を推進する企業文化への変革を遂げた同社では、「出勤するとほとんど人がいない日もある」とロバートソン氏は明かす。今では社内の事例を元に、顧客への働き方改革の提案も進めているという。ロバートソン氏は、「今後5~10年で働き方改革に取り組む企業が急増する。ヴイエムウェアとしても推し進めていきたい分野だ」としている。

働き方改革にも注力する

 このほかロバートソン氏は、日本がIoT分野で世界のリーダー的存在になるだろうという米VMware CEOのパット・ゲルシンガー氏の言葉を受け、「データセンターやクラウドだけでなく、エッジにまでソリューションを展開する」と語る。

 「Project Dimensionによって、VMware Cloudをエッジにも拡張する。すでに2018年夏ごろより、現場で分析して必要なデータのみをクラウドに戻すといったようなデータクラウドビジネスに取り組んでいる。これはまだ最初のステップに過ぎないが、今後3~5年で大きなビジネスへと成長するだろう。日本のハードウェアベンダーやパートナーとも協力して面白いソリューションを提供していきたい」(ロバートソン氏)。

 常にイノベーションを続けるヴイエムウェアだが、新たなイノベーションを生み出すには「多様な人材を確保することが大切だ」とロバートソン氏は主張する。「同じ考え方をする人ばかりの中からはイノベーションは生まれない。多様性がイノベーションにつながる」というのがロバートソン氏の考えだ。

 現在ヴイエムウェアでは、外国人の比率が5%、女性の比率が15%だというが、「今後も多様性を重視して人材を確保し、柔軟な働き方を実現しつつ、技術を使って社員の満足度を高めたい」としている。