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Dell EMC、2019年度はデジタルトランスフォーメーション支援をさらに強化

 デル株式会社とEMCジャパン株式会社(以下、Dell EMC)は13日、2019年度の事業方針説明会を開催した。その冒頭でデル 代表取締役社長の平手智行氏は、「第四次産業革命であるデジタルトランスフォーメーション(DX)に不可欠な最先端テクノロジーを日本の顧客に提供していくことが、われわれのミッションだ」と述べた。

デル 代表取締役社長 平手智行氏

 米国では、両社の親会社となるDell Technologiesが2018年度の業績を発表したばかり。同年度の売上高は前年比15%増の906億ドルとなり、インフラソリューションは同19%増、ストレージは同9%増、サーバーおよびネットワークは同28%増と、各分野で成長した。中でも、ハイパーコンバージドインフラストラクチャの分野は第4四半期に3桁台の成長を見せたという。

米Dell Technologiesにおける2018年度の実績

 日本国内では、グループ全社の対前年比成長率が20%となった。各分野の成長率は、サーバーが39%、ストレージが25%、コンバージド/ハイパーコンバージドインフラが165%、サービスが25%、OEMおよびIoTが53%と、いずれも大きな成長を遂げている。

日本における2018年度のハイライト

 平手氏は現在の市場動向として、「企業はデータから知見を得、新たなビジネスモデルや既存サービスに反映させている。それが優れたユーザーエクスペリエンスを生み出し、より膨大なデータの生成につながる。この価値創造サイクルが加速しており、それが企業の競争力を創出する時代に突入している」と語る。こうして多くの企業が守りのITから攻めのITへと向かう中、「いまやすべての企業がDXに取り組まなくてはならない」と指摘する。

 そのDXを支援するのが、Dell Technologiesのソリューション群だと平手氏。同社では、Dell、EMC、Pivotal、RSA、Secureworks、Virtustream、VMware、そして今年よりグループに加わったデータ統合ツールのBoomiというブランドでソリューションを展開しており、「各分野のリーダーと位置づけられているテクノロジーを、世界標準としてシームレスに組み合わせて提供する」(平手氏)という。

グループが抱えるソリューションブランド

 Dell EMCでは、2018年にも顧客のDXを支援するとして、「Make It Real」というスローガンを掲げていた。この取り組みの成果として、両社が過去1年で取り扱ったトランスフォーメーション案件は100件を超える。

 2019年はこの取り組みをさらに進め、「顧客のトランスフォーメーションを真の意味で実現する『Real Transformation』をテーマに戦略を推進する」(EMCジャパン 代表取締役社長 大塚俊彦氏)という。

EMCジャパン 代表取締役社長 大塚俊彦氏

 具体的にはどのような取り組みを進めるのか。大塚氏は、国内における重点戦略として「日本初イノベーションプロジェクトの推進」「市場カバレージのさらなる拡大」「パートナーとの協業のさらなる進化」「サポートエクスペリエンスの向上」を挙げた。

2019年度の日本での重点戦略

 日本初のイノベーションプロジェクトでは、グローバル組織として設置されたGTO(Global Transformation Office)にて、全世界のトランスフォーメーションプロジェクトの知見を集め国内で活用した上で、日本からの発信を目指すという。

 市場カバレージの拡大に向けては、ハイタッチ営業体制の強化に継続して投資するほか、新規市場開拓営業の体制も強化する。

 パートナーに対しては、既存パートナーと協業領域を拡大することに加え、二次店パートナーへの支援も強化する。

 最後のサポートエクスペリエンスについては、国内での1週間7日/1日24時間体制のサポート領域を拡大し、サポートメニューも拡充する。

 こうした各分野での取り組みに加え、Dell EMC全体で社員の育成にも注力するという。

 業界全体では、プロダクトの提供からサービスの提供へと流れが変わりつつあるが、Dell EMCではあくまでもプロダクトへのこだわりを貫いている。平手氏は、「サービスを提供する企業が必要とするコンポーネントを提供するのがわれわれの役目。標準化された製品を提供することで、サービスプロバイダーの効率化を支援する」と語る。

 また、大塚氏も「テクノロジーそのものがビジネス価値を生むインフラになってきている。われわれの提供するテクノロジーにより、コストの低減、パフォーマンスの向上、Time To Marketの迅速化を実現しており、テクノロジーの果たす役割は大きい」と主張。「過去3年で研究開発に128億ドルの投資をしているのもそのためだ。さらに革新的なトランスフォーメーションを実現する製品群を開発することがわれわれのミッションで、このビジネスモデルは変わらない」としている。