KDDI、スマートドローンを活用した用途別ソリューションを提供

　KDDI株式会社は6日、スマートドローンを飛行制御する基盤システムとなるプラットフォームを活用した用途別ソリューションを、6月から順次提供すると発表した。

　KDDIでは、KDDIの通信ネットワークを利用することで、より長距離で安全な運用を可能とするスマートドローンの構想を2016年の発表以来、多数のパートナー企業と実証実験を重ね、開発を進めてきた。基盤システムとなるプラットフォームは、モバイル通信に対応した機体、気象・地図と連携し、ドローンの飛行計画の作成、運航状況の監視、機体制御を遠隔で行うことを可能とする。

　同プラットフォームを活用し、広域監視、鉄塔点検、風力点検、測量解析、精密農業分野において、顧客の用途に応じた機体、通信、アプリケーションによるソリューションを提供する。

　プラットフォームでは、通信についてはアンライセンス通信に加え、4G LTEのモバイル通信にも対応することで、クラウド連携、遠隔監視/制御を実現。機体については、各産業用途に応じた最適な機体ラインアップを提供する。

　気象・地図については、高精細な上空気象予測を提供することで、ドローンの飛行可否の判断が可能。また、3次元地図により、ルート設定時に飛行高度を自動設定することができる。運航管理については、自律飛行のための計画の作成から、飛行時の運航状況・カメラ映像の監視、さらに機体やカメラなどの遠隔制御を可能とする。

　プラットフォームを活用としたソリューションとしては、鉄道や道路などの広域インフラを、災害時などにスマートドローンで巡回し、遠隔で現場の状況を確認する「広域監視」、鉄塔周囲をドローンが自動飛行することで鉄塔の3Dモデルを作成し、指定された角度・範囲で点検箇所をピンポイントに撮影する「鉄塔監視」、風力タービンの周囲をドローンが撮影し、位置情報・高度情報を元にデータ管理、レポートまでを自動的に行う「風力点検」などを提供する。

　また、スマートドローンを活用した測量によるデータ収集と、アイサンテクノロジー株式会社の測量専用ソフト「Wing Earth」による大規模3次元点群データ処理・解析を連携させる「測量解析」、株式会社スカイマティクスの葉色分析サービス「いろは」による農作物の生育管理と農薬散布サービス「はかせ」を、スマートドローンのプラットフォームに連携させる「精密農業」ソリューションを、パートナー連携により提供する。