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大丸札幌店、AI技術を活用し館内施設の混雑状況をリアルタイムに提供

NTT東日本とバカンが支援

 東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)、株式会社バカンは29日、株式会社大丸松坂屋百貨店の札幌店(以下、大丸札幌店)において、混雑状況をAIが解析し、スマートフォンなどでリアルタイムに一覧表示できるようにするサービスを、12月1日より提供開始すると発表した。

 大丸札幌店では、各階カフェ・レストラン街に加え、その他の館内施設においても待ち時間が長くなる傾向にあるほか、実際に足を運ばなければ混雑状況を把握できないため、訪問客が効率的に店内を周遊するにあたっての課題になっていたという。

 そこで今回は、大丸札幌店のレストラン(15店舗)と各階カフェ(5店舗)、トイレ、授乳室、免税カウンター、駐車場などの混雑状況を、IoTとAIの活用によってリアルタイムで解析・配信する取り組みを開始する。

 具体的には、まず、大丸札幌店内の各施設に設置したカメラやセンサーから取得したデータをクラウド上のAIで解析し、混雑情報を割り出す。この混雑情報を、館内各フロアのサイネージにリアルタイムで一覧表示するとともに、Web上にも配信するため、訪問客は所有するスマートフォンなどからも混雑状況を確認できるとした。

 なお、混雑情報は「空」「残数わずか」「待ち時間(満席の場合)」の3段階で表示されるとのこと。

サイネージ表示画面(左)とスマートフォン表示画面(右)のイメージ

 この取り組みにあたって、NTT東日本は、サービスの提供に必要な「フレッツ光」「ギガらくWi-Fi」といったインフラと運用サポートを提供。バカンは、カメラやセンサーなどのIoT機器とクラウド上に搭載したAIを活用し、飲食店の混雑状況を検索できる空席情報プラットフォーム「VACAN」、およびトイレの混雑状況を検索できる空席情報検索プラットフォーム「THRONE」を提供する。

 なおNTT東日本は、バカンが提供するIoT機器に加え、取得したデータを蓄積およびAIで解析するクラウドについても、ワンストップで運用サポートを行うとのことだ。

 両社では今後、大丸札幌店における導入効果を基に、混雑把握技術の向上や新しい商業施設向けソリューションの開発に向け、協業を進めるとしている。