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ソフトバンク・テクノロジーとマカフィーが協業、CASBのマネージドサービス「MSS for CASB」を提供へ

 マカフィー株式会社とソフトバンク・テクノロジー株式会社(以下、SBT)は8日、クラウド環境におけるセキュリティソリューションの提供で協業すると発表した。協業により、マカフィーが提供するCASB(Cloud Access Security Broker)製品の「McAfee MVISION Cloud(以下、MVISION Cloud)」と、SBTのセキュリティに関する知見を組み合わせたマネージドセキュリティサービス「MSS for CASB」を、SBTが2019年3月から提供する予定。

 MVISION Cloud(旧称:McAfee Skyhigh Security Cloud)は、マカフィーが2018年に買収した米Skyhigh Networksの製品をベースとした、クラウド利用の可視化や制御を行うためのCASBソリューション。

 SBTでは、企業へのOffice 365を始めとしたクラウドソリューションの導入実績や、各種のマネージドセキュリティサービスを提供してきたノウハウをMVISION Cloudに加え、CASBのマネージドセキュリティサービス「MSS for CASB」として提供する。

「MSS for CASB」サービス概要

 MSS for CASBでは、SBTが独自に策定したOffice 365向けの推奨セキュリティポリシーテンプレートを提供するとともに、企業ごとに異なるポリシーに対応するため、個々の企業の社内環境に合わせたポリシーへのカスタマイズも行う。

 また、シャドーITとして検出したクラウドサービスのリスクを分析し、企業の業務に影響を与えないよう、シャドーITの抑制を支援。顧客の業務に合わせた継続的な抑制ポリシーの提案など、コンサルティングサービスも提供する。

 さらに、MVISION Cloudで検知したアノマリ(サイバー脅威を疑われる行動)に対して、他のマネージドセキュリティサービスも用いて、複合的に脅威を分析。危険な行動を遮断する。

「MVISION Cloud」はIaaSやPaaS領域にも保護を拡大

 マカフィー代表取締役社長の山野修氏は、7月に発表した法人向けセキュリティの新ポートフォリオ「McAfee MVISION」に、SOC向けのMVISION EDRとクラウド保護のMVISION Cloudを拡充したと説明。MVISION Cloudは、各種SaaSの利用に対する保護に加え、IaaSやPaaS領域の保護についても対応を進めており、これにより企業のクラウド利用における可視化と制御を取り戻すとした。

 一方、CASBの導入においては、マネージドサービスの利用が有効だとして、Office 365をはじめとした多くのクラウドサービスの導入実績を持つSBTとの協業により、MVISION CloudとSBTのマネージドサービスを組み合わせることで、クラウド環境における高レベルなセキュリティを実現するとした。

クラウド利用におけるエンタープライズのニーズの変化

 SBT取締役上席執行役員営業副統括兼ソリューション営業本部長の児玉崇氏は、CASBサービスの提案を行った企業からは、クラウドサービスの管理のみでなく、検知したログに対する詳細な分析と、不正な行動であった場合の即時対処が必要だという反応が多かったと説明。また、CASBだけでなく複数のセキュリティサービスを複合的に利用したいという話が多かったとして、ウェブセキュリティやサーバーセキュリティなどSBTが提供するマネージドセキュリティサービスのラインアップにCASBを加え、提供していくとした。

(左から)SBT取締役上席執行役員の児玉崇氏、マカフィー代表取締役社長の山野修氏、SBT取締役常務執行役員の後藤行正氏