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JVCケンウッド、基幹システムをNECのデータセンターやIaaSへ移行

BCPの強化や運用コスト削減を実現

 日本電気株式会社(以下、NEC)は19日、株式会社JVCケンウッドが、基幹システムを含む大規模システムをNECのデータセンターへ移行したと発表した。基盤としては、IaaS型クラウドサービス「NEC Cloud IaaS」、およびNEC神奈川データセンターを利用しており、2018年7月から本格稼働を開始している。

 世界中に生産・販売拠点を展開し、ICTシステムに対して24時間365日の安定稼働を求めるJVCケンウッドでは、東日本大震災をきっかけにあらためてBCPの重要性を再認識したこともあり、ICTインフラに社外データセンターのハウジングサービスやクラウドサービスを利用するなど、より可用性を高める試みを行ってきたという。

 しかし、当時利用していたクラウドサービス提供ベンダーのサポートは、問い合わせに対する回答が遅いなど十分ではなかったほか、さらなるBCPの強化やコスト削減といった観点から、全社のシステム基盤環境の見直しを進めてきたとのこと。

 そこで、さまざまなサービスを比較・検討した結果、NEC Cloud IaaSとNEC神奈川データセンターのハウジングサービスを活用し、ハイブリッドクラウド環境を構築した。NEC Cloud IaaSは多様なシステムニーズに応えられる点、またNEC神奈川データセンターは安全性やコスト効率が高い点などを評価したという。

 さらに、4カ月という短期間での移行が前提だったプロジェクトにおいて、多くの移行プロジェクトで培ったノウハウを生かし的確な移行計画を提案した、NECの移行支援も決め手になったとのこと。

 既設のデータセンターからNECデータセンターへは、サーバーおよびネットワーク機器約300台(16ラック)の物理的な移設と、クラウド環境に構築された仮想サーバーの移行を行っているが、これをわずか2日間の業務停止時間で実現した。NECはさらに、障害発生時のサポートサービスの提供など、今後の運用についてもきめ細かくサポートできる体制を準備したとしている。

 現在JVCケンウッドは、基幹システムのサーバーをNEC神奈川データセンターのハウジング環境で、また、グループウェアや人事システム、社内ポータルなどをNEC Cloud IaaSの物理サーバーサービスを利用して稼働させているが、今回の移行により、BCPの強化と、運用管理コストの50%削減を実現したとのことだ。