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佐渡汽船、総合乗船システムをNEC Cloud IaaSへ移行・刷新 事業継続性や顧客の利便性を強化

 佐渡汽船株式会社と日本電気株式会社(以下、NEC)は12日、予約・発券などの顧客向けシステム、貨物・運航管理などの社内システムを、NECのクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」へ移行・刷新したと発表した。システムは4月より本格稼働している。

 佐渡島と新潟県を結ぶ定期航路を運航する佐渡汽船では、予約・発券などを担う基幹システムをはじめ、メール、グループウェア、統計分析システムなどをオンプレミス環境で運用しており、災害時の事業継続性の面で課題があったほか、定期的に行うシステム更改などの際であっても、定期便を365日運行している関係上、休日にシステムを停止して更改作業を行うということができず、更改時のリスクと負担を低減したい、といった問題を抱えていたという。

 そこで今回のシステム移行ではクラウド環境を活用することで、災害時の事業継続性を強化するとともに、利用者の利便性向上に寄与するさまざまなサービスの開発・提供を迅速に行えるようにした。

 具体的には、会員、予約、発券といったサービスや、統計、運航管理、貨物などの業務をNEC Cloud IaaSに移行するとともに、開発環境もクラウド化。開発環境リソースの制限がなくなったことで、自治体からの要望や利用者向けのサービスの新規立ち上げなど、多様なシステム開発が並行して行えるようになった。

 さらに、ハードウェアの更改作業や日々の保守作業が不要となったことで、毎月の運用コストが、従来比で15%削減されている。

 またシステム刷新により、ユーザーの利便性を強化した。従来は、インターネットからの乗船予約時に会員登録が必要だったため、利用時には会員登録を完了してから乗船予約を行う必要があった。これをあらため、会員、予約、発券の各システムが連携して、予約する際の会員登録を不要とすることで、乗船予約を簡易化している。

 このほか、Amazon Web Services(AWS)上で運用されているWebサイトと、NEC Cloud IaaS上の予約システム間において、セキュアでスムーズな連携を実現。あわせて、Webサイトのリニューアルにより、各種旅行商品も同じサイトから予約が可能になり、利用者の利便性が向上したという。

 なお、こうしたシステム移行・刷新により、ゴールデンウィーク時の利用者数が前年比3割増加した際にも、問題なく対応できたとのことだ。