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さくらインターネット、組み合わせ最適化問題の高速処理を実現する日立「CMOSアニーリングマシン」の評価を開始

 さくらインターネット株式会社の組織内研究所であるさくらインターネット研究所は18日、組み合わせ最適化問題の高速処理を実現する、日立製作所株式会社(以下、日立)の新概念コンピューター「CMOSアニーリングマシン」の評価を開始すると発表した。

 CMOSアニーリングマシンは、イジングモデル(磁石などの磁性体の性質を表す統計力学上のモデル)の動作を半導体のCMOS回路で擬似的に再現する、日立が開発したCMOSアニーリング技術を用いた新型半導体コンピューター。組み合わせ最適化問題の実用解を、室温下で効率良く求めることができる。

 さくらインターネット研究所では、交通渋滞の解消や物流コストの最小化、電力送電網による安定したエネルギー供給など、複雑化する社会システムの課題解決には、全体最適となる組み合わせを見いだすことが重要だが、社会システムが複雑化すると、システムを記述するパラメータとその組み合わせが爆発的に増大し、最適なパラメータを決定することが困難になると説明。

 そこで、これらの組み合わせ最適化問題を解くにあたり、CPUやGPUを搭載する一般的なコンピューターとは異なるCMOSアニーリングマシンに着目。組み合わせ最適化問題の高速処理やデータセンターでの利用に向けた評価を行うとしている。評価は12月末(予定)まで実施する。

 また、評価の一環として、技術者を対象にCMOSアニーリングマシンの新たなニーズやビジネス化の可能性の議論と意見交換の場としてセミナー「第一回CMOSアニーリングマシン・ワークショップ」を、11月22日にさくらインターネット株式会社の西新宿セミナールームで開催する。参加条件は、CMOSアニーリングマシンに興味があり、積極的な利用検討が行える技術者で、参加者は40人(先着順)。参加費は無料。