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Sumo Logicが日本法人を設立、データ分析プラットフォームの提供を国内で開始

 クラウドネイティブのマシンデータ分析プラットフォームを提供する米Sumo Logicは4日、日本法人となるSumo Logicジャパン株式会社を設立したと発表した。また、クラスメソッド株式会社と国内販売代理・システムインテグレーター契約を締結したことも、合わせて発表した。

 Sumo Logicは、クラウドやオンプレミスに構築されたシステムのインフラやアプリケーションなどが生成するログを収集・分析するSaaS型のマシンデータ分析プラットフォーム。軽量なコレクター(エージェント)によりデータをリアルタイムで収集することにより、オンプミスやマルチクラウドにまたがる大量のデータの集中管理を可能にし、分析結果をアラートやダッシュボードとして表示することで、サービス運用やセキュリティ監査、ビジネスアナリティクスなどのためのツールとして利用できる。

 4日に行われた発表会で、Sumo Logic社長兼CEOのラミン・サヤー氏は、Sumo Logicは現在、世界の1600社以上に利用されていると説明。「Sumo Logicは、クラウド化やデジタルトランスフォーメーションに取り組む企業を支援することをミッションとしている。こうした企業が展開するモダンアプリケーションは、マイクロサービスやコンテナ、サーバーレスアーキテクチャーなどを利用する複雑な構成となり、それらのシステムからは大量のデータが押し寄せてくる」として、こうした大量のデータを分析し、活用できるサービスだと語った。

Sumo Logic社長兼CEOのラミン・サヤー氏
Sumo Logicの採用例

 日本法人のカントリーマネージャーに就任したロバート・スチーブンソン氏は、「Sumo Logicの創業から8年というタイミングでの日本展開となったが、日本におけるクラウドの普及や、成熟したサービスが好まれるという日本市場の傾向もあり、今だという判断になった」と説明。以前から日本にもSumo Logicの顧客は存在し、すでに10数社が利用しているが、さらにサービスのローカライズや日本語によるローカルサポート対応を進めていくとした。

 また、データを国内に保存したいというニーズに対応し、2018年中にはログデータをAmazon Web Services(AWS)のアジアパシフィック(東京)リージョンに保管できるようになると説明。さらに、パートナー経由での販売により、サービスの日本円での決済についても対応し、より多くの日本企業に利用を拡大していきたいとした。

日本法人のカントリーマネージャーに就任したロバート・スチーブンソン氏
さまざまなデータの収集・分析を容易に実現する

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社事業開発本部本部長の安田俊彦氏は、Sumo LogicはAWSのサービスとネイティブに連携し、AWSのアプリケーションおよびインフラの、オペレーションとセキュリティの状態をリアルタイムに可視化できると説明。

 AWSとSumo Logicの連携としては、脅威検出の「Amazon GuardDuty」と連携し、AWSのマルチアカウントに対して、悪意の高いアクティビティを検知するダッシュボードが用意されていることや、AWS上で構築したアプリケーションが、PCI DSSなど各種コンプライアンスに適合しているかといったことも、Sumo Logicが提供するテンプレートにより確認できるといった例を紹介した。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社事業開発本部本部長の安田俊彦氏
Amazon GuardDutyとの連携例

 クラスメソッド株式会社執行役員AWS事業本部長の佐々木大輔氏は、AWSを利用する顧客の悩みとしては、システムごとにログのフォーマットや保存場所が異なり、クラウドとオンプレミスでログ管理が分散している、一元的にログが確認できずシステム全体の可視化が困難といった問題が挙げられると説明。Sumo Logicを利用することで、ログのフォーマットや保管場所に依存せず一元管理が可能になり、システム全体の可視化を向上、集中管理が実現でき、クラウドのログもオンプレミスのログもすべて集約できるとした。

 また、ログを集約しても、専門的な知見がなく、どこを見たらいいのか分からないといった問題もあるが、Sumo Logicでは機械学習分析機能により過去ログとの比較を迅速に実施でき、一元的で視認しやすいビジュアルダッシュボードにより見るべきポイントを把握できると説明。目視ではなく自動で分析してアラートをあげたいという要望に対しても、怪しいIPアドレスやURLを分析・検知し、外部のIOC(脅威が存在することを示す痕跡)データとマッチングする機能により対応できるとした。

 クラスメソッドでは、Sumo Logicの初期導入を支援するとともに、分析結果に基づきAWS環境のコンサルティングやセキュリティ対策を実施、MSP(マネージドサービスプログラム)により長期的にSumo Logicの利用をサポートし、より安全・安心・快適なAWS利用を提供していくとした。

クラスメソッド株式会社執行役員AWS事業本部長の佐々木大輔氏
AWS利用者の悩み
Sumo Logicにより一元管理・集中管理を実現