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ベリタス、統合バックアップソフト「Veritas NetBackup」の最新版を発表

新たなWeb UIの搭載などユーザーエクスペリエンスを大幅に向上

 ベリタステクノロジーズ合同会社(以下、ベリタス)は27日、物理/仮想/オンプレミス/クラウドなど、あらゆる環境のデータ保護を統合するエンタープライズ向けバックアップソフトウェア製品「Veritas NetBackup」の最新版として、「Veritas NetBackup 8.1.2」を提供開始すると発表した。同日に行われた会見では、最新版の重点強化ポイントについて4つのキーワードを挙げて説明した。

 最新版の発表に先立ち、ベリタス テクノロジーセールス&サービス本部 常務執行役員の高井隆太氏が、同社が展開するデータ保護ソリューションのビジネス状況を紹介。

 「当社は、データ管理ソリューションのグローバルリーダーであり、主力製品の『Veritas NetBackup』および『Veritas NetBackup Exec』で、バックアップソフトウェア部門の市場シェア24.3%を獲得している。また、エンタープライズの顧客企業はグローバルで5万社を突破しており、Fortune 500のうち86%の企業がデータ管理のためにベリタスのソリューションを活用している」とした。

ベリタス テクノロジーセールス&サービス本部 常務執行役員の高井隆太氏

 「現在のデータ管理は、増大する非構造化データをハイブリッドクラウドで管理するのが主流になっている。しかし、これからはマルチクラウドの活用が前提となり、データ中心の管理が重要になると見ている。そうした状況の中で、当社のデータ保護ソリューションでは、マルチクラウド時代のあらゆるデータ管理要件に対応する“360度データ管理”を提供することが可能だ。そして今回、その最重要プロダクトとなる『Veritas NetBackup』をさらにパワーアップしてリリースする」(高井氏)と、「Veritas NetBackup」の最新版を提供する背景を語った。

あらゆるデータ管理要件に対応する“360度データ管理”

 今回の最新版では、ユーザーの運用性向上にフォーカスをあて、さまざまな機能強化・改善を実施したという。ベリタス テクノロジーセールス&サービス本部 シニアプリンシパルスペシャリストSEの勝野雅巳氏は、最新版の重点強化ポイントとして、「シンプル」「次世代ワークロードへの対応強化」「大幅に進化したユーザーエクスペリエンス」「保護されたデータの活用」の4つのキーワードを挙げた。

ベリタス テクノロジーセールス&サービス本部 シニアプリンシパルスペシャリストSEの勝野雅巳氏

 まず「シンプル」については、「従来のバックアップ管理者向けのJava UIに加えて、一般ユーザー向けのWeb UIを新たに搭載した。Web UIは、一般ユーザーに最適な操作性、アクセス性、機能性を備えており、ユーザー目線のデザインが実装されている。

 これにより、一般ユーザーでも、プロテクションプランの作成やセルフサービスの設定など、高度なバックアップ管理を直観的でシンプルな操作で行えるようになった」(勝野氏)という。

バックアップ管理者向けのJava UI(左)と一般ユーザー向けのWeb UI

 「次世代ワークロードへの対応強化」では、保護対象のワークロードとして、すでに対応済みであるHCI(ハイパーコンバージドインフラ)のNutanix AHVやオープンソースデータベースのMySQL/PostGreSQL/MariaDB/SQLite、ビッグデータのHadoopに加え、新たにNoSQLのHBaseと、オンプレミスでAzure環境を提供するAzure Stackを追加した。近日中に、MongoDBにも対応する予定。

 「さらに最新版では、Microsoft AzureやAWS(Amazon Web Services)、Googleなどパブリッククラウドのスナップショットも統合管理できるようになった。これにより、複数のパブリッククラウドとオンプレミスの各種ワークロードで構成される、企業の大規模かつ複雑な環境のデータ保護を簡単・迅速に行えるようになった」(勝野氏)としている。

 「大幅に進化したユーザーエクスペリエンス」については、Web UIの搭載に合わせて、複数のNetBackup環境の容量を一元管理可能な「Veritas Smart Meter」を提供。Web UIのダッシュボードからバックアップの使用状況などを的確に確認することで、すべての問題を特定し、バックアップ環境の円滑な稼働を維持するためのアクションをとることができる。

「Veritas Smart Meter」の機能概要

 また、役割ベースの管理機能「Role Based Access Control」により、VMのリカバリ、ファイルリストア、ファイルアクセス権限を制御することで、バックアップ管理者だけでなく、ストレージ管理者やクラウド管理者、一般ユーザーでも、部門ごとに自部門のデータ保護やアクセス管理が可能となった。

 さらに、モバイルデバイスからも安全にアクセスできるため、場所を選ばない即時対応も実現している。

役割ベースの管理機能

 「保護されたデータの活用」では、Web UIによるシステムへの即時アクセスと、エージェントなしで単一ファイルをリストアできる「VM Instant Access」機能によって、VMware環境のデータ保護機能を強化した。

 これにより、バックアップ済みの仮想マシンイメージから新規仮想マシンを起動したり、Guest OS内のファイルをWeb経由で直接サーバーやPCにダウンロードしたり、Guest OS内の特定のファイルを特定の時点に復旧することが可能となった。

 勝野氏は、今後の展開について、「従来の『Veritas NetBackup』は、あらゆるワークロードや環境を、あらゆるストレージ&デバイスに保護することができる統合データ保護製品だった。これに対して、今回の最新版は、あらゆるワークロードや環境を保護するだけでなく、各種担当者に権限を委譲し、保護されたデータを活用できる製品に進化した。当社では、今後も次世代ワークロードへの対応を図るとともに、さらなるユーザーエクスペリエンスの向上に取り組み、AI・マシンラーニングによる自動最適化や自動分析、自動修復などの自動化対応も進めていく」との考えを示した。