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Dell EMC、オブジェクトストレージの次世代プラットフォーム「ECS EXシリーズ」
用途や企業規模に合わせて導入できる2モデルを用意
2018年9月27日 11:49
デル株式会社とEMCジャパン株式会社(以下、Dell EMC)は26日、オブジェクトストレージシステム「Dell EMC ECS(Elastic Cloud Storage)」の次世代プラットフォームとして、新製品「Dell EMC ECS EX」(以下、ECS EX)シリーズを発表した。同日に行われた会見では、ECS EXをリリースする市場背景や製品概要について説明した。
オブジェクトストレージが求められる理由
Dell EMC ECSは、ストレージの大幅な効率化を実現し、強固なデータコンシステンシーとリアルタイムでのアクセシビリティ、膨大なデータに対してデータベース利用なしでメタデータサーチを可能にする機能、マルチサイトレプリケーション機能を提供するオブジェクトストレージ。
RESTful APIとして、Amazon S3、OpenStack Swift、HDFSやDell EMC Atmosなど、多数のオブジェクトストレージ向けプロトコルに互換性を持っている。またNFSをサポートし、ファイルオブジェクトへのアクセス性にも優れているという。
今回の新製品であるECS EXシリーズはこの次世代プラットフォームで、Dell Technologiesの包括的な技術を活用し、幅広いユースケースや企業規模のニーズに合わせて必要最小限の容量から導入できる設計とすることで、オブジェクトストレージの製品ラインアップの柔軟性をさらに向上している。
Dell EMC UDS事業本部 APJ担当プリセールス ディレクターのペ・ヨンジュン(YongJoon Bae)氏は、「昨今、デジタルトランスフォーメーション(DX)への流れの中で、ユーザーがあらゆるデバイスから膨大なデータに即時にアクセスし、そこから価値を生み出せる新たなITインフラが求められている。こうしたITインフラを実現するプラットフォームとして、オブジェクトストレージに注目が集まっている」と、オブジェクトストレージのニーズが高まっている背景を説明。
「当社のオブジェクトストレージDell EMC ECSを活用することで、従来のシステムインフラを最新化し、データ主導型ビジネスの基盤にすることができる。そして、既存アプリとモダンアプリの橋渡しをすることで、DXを加速させることができる」と、Dell EMC ECSの位置づけを述べた。
新プラットフォームは2つのラインアップで提供
次世代プラットフォームのECS EXシリーズでは、ユーザーの用途やシステム規模に応じて柔軟にオブジェクトストレージを導入できるよう、「ECS EX300」と「ECS EX3000」の2モデルをラインアップした。
ECS EX300は、最小構成60TBの容量から導入することができる小型ストレージプラットフォーム。「前シリーズの最小構成から85%のサイズダウンを実現し、クラウドネイティブなイニシアチブに最適なモデルとなっている」(ペ・ヨンジュン氏)という。
また、アーカイブ用ストレージ「Dell EMC Centera」のモダナイズにも適しており、クライアント環境を変更することなくスムーズな移行が可能となっている。
一方、ECS EX3000は、データフットプリントが大きな企業のニーズに対応できるように構築されており、前モデルから容量を48%増加。シングルラックで最大8.6PBまでサポートする。
また高密度なストレージプラットフォームであり、ウォームデータ(アクセス頻度が低いデータ)とコールドデータ(アクセスがほとんどないデータ)の大量アーカイブや、社内クラウドストレージポータルの構築、また大規模なクラウドネイティブアプリケーション、およびIoT/アナリティクスなど多様なワークロードに適したモデルとなっている。
両モデルとも、システムに必要なコンポーネント(ノード、スイッチ、ケーブル)をすべて完備しており、Dell EMCラックもしくは、顧客ラックへの導入が可能。容量やパフォーマンスが不足した場合は、ノード/シャーシをほぼ無制限に拡張することができるという。
価格(税別)は、ECS EX300の5ノード最小構成で1688万4562円(保守・導入サービス費用は除く)。9月26日より出荷を開始する。