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埼玉県、チャットボットによる「AI救急相談自動応答システム」を構築へ

NECのAI技術を利用

 日本電気株式会社(以下、NEC)は21日、埼玉県から、AIを活用したチャットボットによる「AI救急相談自動応答システム」を受注したと発表した。県民の急な病気やケガによる救急相談の利便性向上と、適正受診の推進による救急医療機関の負荷軽減が目的で、2019年7月からの本格稼働を目指している。

 埼玉県では、救急医療体制の充実を目的として、急な病気やケガによる対処方法の相談、医療機関の案内を受けられる救急電話相談を実施しており、2017年10月からは24時間365日体制で受付を行っているという。こうした相談に対しては、相談員である看護師が1件1件対応し、利用者ごとに緊急度や医療機関への受診の必要性などをアドバイスしているが、現在、利用件数は年間約15万件に及んでいるとのこと。

 今回、埼玉県が導入を決めた「AI救急相談自動応答システム」は、スマートフォンなどからいつでも相談できる、チャット形式による救急相談の自動応答サービス。埼玉県のWebサイト上に公開された専用受付において、県民がチャット形式で入力した救急相談の文章構造を自動で分析することで、症状別のデータベースから適切な対処方法や緊急度などを判定し、高精度かつ高速に回答を行えるようにする。

 同システムでは、2つの文が同じ意味を含むかどうかを判定するNECのAI技術「テキスト含意認識技術」を活用した「NEC 自動応答」を用いているほか、サービス提供にあたっては、全国の救急電話相談の対応実績・ノウハウを持つダイヤル・サービス株式会社と連携。電話応対ノウハウを生かした高品質な対話シナリオを作成し、リアルな救急相談事例に基づいた自動応答チャット相談を実現するとした。

 なおNECでは、同システムの強化として、音声入力や外国語の対応も支援することにより、埼玉県の救急相談のさらなる利便性向上や、適正受診の推進による地域の救急医療機関の負荷軽減、救急電話相談員の負荷軽減にも貢献していくとしている。