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Dappが世界を変える? ブロックチェーン基盤の分散アプリ

 「Dapp」(decentralized application=分散型アプリケーション)をめぐる動きが活発化している。英市場調査会社のJuniper Research は調査レポートで、「データマイニング」「量子コンピューティング」とともに、Dappを「2018年に注視すべき3つの破壊的フィンテック」(3 Disruptive Fintech to Watch in 2018)に選んだ。「Web3.0」「もうひとつのインターネット」とも称されるDappだが、その現状と課題は――。

クラウドに対するアンチテーゼに

 Dappは、ここ数年で急速に注目を集めている「非中央集権、分散型」のアプリケーションであり、「trustless(信用を保証する第三者がいない)プロトコルによる分散ネットワーク上で、多数のユーザーが利用するアプリケーション」を言う。

 定義はなお固まってないが、「管理者なしの自動運用」「ブロックチェーンの利用」「コンピューティングパワーの提供者に報酬として暗号化トークンを付与」などが特徴として挙げられる。bitcoinなどの仮想通貨はDappのよい例でもある。「コンピューティングパワーの提供」(マイニング)に対して「暗号化トークン」(仮想通貨)が支払われる仕組みだ。

 サーバにデータが集中する現行の“中央集権型”アプリケーションと異なり、Dappのデータはブロックチェーンを構成するノードに分散管理される。この仕組みがもたらす変革をThe Economistはソーシャルネットワークを例に挙げて解説する。

 「Facebookでは、ソフトウェアの大半と全情報は企業のクラウドにあり、これらのデータのコントロールが同社に力を与えている。対照的にWeb 3.0の世界では、インターフェース、コード、データは分離して保存され、ユーザーは、どのアプリケーションに情報へのアクセスを許すのか、自らの意思で決定できる」

 こうしたデータ分散管理のアイデアは古くからあり、90年代の「P2P」ブームはその一つだった。しかし、当時は、必須技術である「堅牢な分散データベース」が欠落しており、Dappのようなものは生まれなかった。だが、ブロックチェーンが登場して、分散型、自律型のデータ管理が可能になり、実用に発展したという。

 またブロックチェーンプラットフォームは、スマートコントラクト機能を利用して開発者とユーザーの契約が簡単にでき、中央集権型データベースに比べてサーバ障害や通信障害に強いという特徴もある。

 おりしも、Facebookのユーザー情報不正利用問題、GoogleのGmailへの外部開発者アクセス騒動などが次々に報じられた。特定の企業へのデータ集中が問題になっており、Dappには追い風が吹いている。