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GitHub、企業向けオンプレミス製品の新バージョン「GitHub Enterprise 2.14」をリリース

 米GitHubは12日、企業向けサービスである「GitHub Enterprise」の新バージョンとなる「GitHub Enterprise 2.14」をリリースした。

 GitHub Enterpriseは、プライベートリポジトリやセキュリティなどのコンプライアンスを遵守できる企業向けオンプレミス製品。GitHub FlowをベースとしたPull Requestやコードレビューなど、一般向けに提供されているGitHub.comの機能をそのまま利用しながら、プライベートリポジトリを作成して2要素認証でアクセス制限をかけるなど、企業における開発環境に適したサービスを提供している。

 新バージョンでは、ユニファイドサーチ機能として、GitHub EnterpriseだけでなくGitHub Business Cloudも利用している場合、ファイアウォール越しに、GitHub.com上のオープンソースのリソースへもアクセスできる機能を追加。これにより、セキュリティを犠牲にすることなく、パブリックコンテンツを検索し、GitHubコミュニティ全体とのコラボレーションを可能にする。

 また、継続的インテグレーション、lint、受け入れテストをGitHub上で実行可能な高度なツールを構築できる、インテグレータ向けの機能「Checks API(パブリックベータ)」を追加。従来、インテグレータはStatuses APIを使用してビルドの成功や失敗をレポートし、詳細情報へのリンクを含めていたが、新しいChecks API機能を使用することでとビルド中により多くのステータス情報の指定が可能となり、より詳細な情報を収集できるようになる。

 Issueテンプレートについては複数作成できるようになり、テンプレートの設定プロセスの改善により、さらに簡単にIssueテンプレートの管理ができるようになった。diff表示についても改善され、ホワイトスペースの変更はスキップする機能の実装により、コードの更新箇所だけを表示できるようになった。

 また、今回のリリースから、Protected Branchの設定上でPull Requestに対して複数のレビュアーを指定することが可能となった。この機能により、重要なプロジェクトにおいて、想定外の変更が生じないように保護できる。

 管理面では、GitHub Enterpriseで直接サポートチケットを作成して診断情報を送信できるようになり、今までよりさらに迅速にヘルプが受けられるようになった。

 アクティブでないユーザーの管理については、ユーザーがアクティブでないとみなす日数のデフォルトのしきい値が30日から90日に変更され、開発者はより長い期間アクセスを保持できるようになった。管理者はこのしきい値を、自身のチームの方針に合わせて変更することもできる。

 GitHub Enterprise環境がプライベートモードの場合には、パブリックリポジトリに対する匿名でのGitアクセスを設定できるようになった。これにより、継続的インテグレーションのツールやビルドマシンでコードにシームレスにアクセスして、テストやパイプラインのデプロイを実行できるすることがより簡単にできるようになり、git submoduleを使用するGoプロジェクトやSwiftプロジェクトの配布が簡単になる。

 このほか、プロジェクト権限の改善として、チームのプロジェクトに対する権限とパブリックプロジェクトを作成する機能をより細かく設定できるようになった。また、プロジェクトコラボレータのアバターやユーザー名が表示されている場所にマウスカーソルを置いて、そのコラボレータに関する詳細情報を参照できるユーザーホバーカードや、GitHubの検索バーをクリックするか「/」キーを押して、最近表示したチームのページ、リポジトリ、プロジェクトにすばやく移動できるジャンプ機能などが追加された。