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NTT東日本、AI・IoT技術の社会実装を加速させる「スマートイノベーションラボ」設立

通信ビルなどを活用した共同実証環境を提供

 東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は28日、通信ビルなどの同社資産を活用し、AI・IoT技術の社会実装を加速させる共同実証環境「スマートイノベーションラボ」を設立すると発表した。

 スマートイノベーションラボでは、NTT東日本が各地に保有する通信ビルやデータセンターなどを活用したエッジ拠点での閉域ネットワークを提供し、低遅延かつセキュアな通信環境を提供する。また、閉域ネットワーク接続による、Amazon Web Services(AWS)などパブリッククラウドや、SINETとの直接接続可能な環境を提供する。

 スマートイノベーションラボの中核となるNTT蔵前ビルでは、膨大なデータの高速処理が可能なGPUサーバーや、NTTグループのAI関連技術「corevo」の学習高速化技術「高速オプティマイザ:Adastand」などのサーバー環境の配備に加え、パートナー企業や大学が共同作業できるスペースとなる「スマートイノベーションルーム」を設置する。

スマートイノベーションラボのイメージ
スマートイノベーションルームの活用イメージ

 NTT東日本では、AI・IoT技術を実ビジネスに活用する動きがあらゆる産業・分野に広がっており、収集されるデータの飛躍的な増加に伴う通信量の増加や即時に秘匿性の高いデータを処理するには、1次処理を行うエッジ拠点などの設置によるクラウドへの通信量の削減や低遅延かつセキュアな通信環境、また当該データの解析に必要とされる高性能なサーバー環境が求められていると説明。

 一方、こうしたAI・IoT技術を社会実装させるためには、実証実験を行い試行錯誤しながら有効性を検証する必要があり、さまざまな企業や大学から、AI・IoT技術を共同で検証できる環境を要望する声が数多く挙がっているとして、スマートイノベーションラボを設立するとしている。

 NTT東日本では、スマートイノベーションラボを活用した共同実証を行うパートナー企業および大学を募集する。既に、埼玉県、SOMPOホールディングス株式会社、DVERSE、株式会社博報堂DYホールディングスによる実証実験を今後予定している。

 パートナー企業や大学との共同実証を通じて得た知見を元に、NTT東日本では東日本各地に広がる通信ビルやデータセンター、閉域ネットワークを活用したセキュアで高信頼なAI・IoT基盤を提供し、AI・IoTの社会実装を加速させ、社会課題解決の貢献を目指すとしている。