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国内クライアント仮想化ソリューション市場は2022年に9415億円まで拡大、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は25日、国内クライアント仮想化関連市場予測を発表した。同市場の規模は2022年には9415億円に拡大し、2017年~2022年の年間平均成長率は7.0%となり、ワークスタイル変革、デジタルトランスフォーメーション(DX)重視型IT投資、インターネット分離対策(セキュリティ対策)が市場拡大の促進要因になると予測している。

 IDC Japanでは、2018年は第3のプラットフォームが実現するDXがすべての業界に影響を与えるとみており、クライアント仮想化技術はDXにおいて重要な役割を果たすと説明。特に、エンドポイントにおけるクライアント仮想化技術は、エンドユーザーの接点として重視されるべき領域で、「デジタルワークスペースの進化、深化、高度化」「ハイブリッドクラウドDesktop as a Service(DaaS)/エンタープライズクラウドDaaS」「VDI 高速クローン技術/動的アロケーション」など技術的要因が、クライアント仮想化市場拡大に寄与すると分析している。

国内クライアント仮想化ソリューション市場予測、2017年~2022年(出典:IDC Japan)

 こうした市場拡大に伴い、2022年のクライアント仮想化利用ユーザー数は854万人、モバイル仮想化利用ユーザー数は1053万に拡大すると予測。クライアント仮想化の産業分野別ユーザー数では、2017年にはインターネット分離対策が進んだ「官庁/自治体/教育」のユーザー数が最も多く、2022年のユーザー数は168万人まで拡大。社数/従業員数の多い「製造」や、IT先進業種の「金融」のユーザー数も、それぞれ161万人、131万人まで拡大すると予測している。

 一方、成長率の高い業種は「建設/土木」で、今後はBIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling)のVDIへの実装が進むと予測している。

 2017年~2022年の年間平均成長率が25.2%と高いクライアント仮想化サービス(DaaS)では、プライベートクラウドDaaSに加え、エンタープライズクラウドDaaS、パブリッククラウドDaaS、ハイブリッドクラウドDaaSなど、多様化が進むと分析している。

 さらに、クラウド(IaaS/PaaS)分野におけるマルチクラウドの進展に伴い、DaaSにおけるマルチクラウドの展開も期待されると指摘。オンプレミスに最も近い形態のプライベートDaaSが主流となるが、用途によってはエンタープライズクラウドDaaS、パブリッククラウドDaaS、ハイブリッドクラウドDaaSの需要も高まると予測している。

 IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「2018年は、デジタルワークスペースがさらに革新し、多様な用途/業務での適用が高まるであろう。新技術を見極めながら自社環境に適合させることが求められている」と述べている。