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Googleが可能にするサーバーレス環境とは? Google Cloud メディアセミナーレポート
2018年3月19日 12:00
グーグル・クラウド・ジャパンは16日、「サーバーレス」をテーマとしたGoogle Cloudのメディアセミナーを開催した。
Googleが考える「サーバーレス」とは、ユーザーによるサーバーの管理が不要で、かつユーザーの利用状況に応じてシステムがオートスケールするクラウドコンピューティングモデルであるという。
カスタマーエンジニア マネージャーとして、ユーザーがGoogle CloudやG Suiteを活用するための技術的な支援を行っている佐藤聖規氏は、Google Cloudが提供するサーバーレス環境を「データの保存や分析などのサービスも含めた、包括的なサーバーレスエコシステム」と説明。ユーザーによるインフラの構築や運用をなくし、アプリケーションの開発およびデプロイに集中できるようにすることで、高い生産性を提供する。
またGoogle Cloud Platform(GCP)のプロダクトの多くは、サーバーレスの考えに基づいて設計されており、これらはオートスケール可能で、使用したリソース分のみ課金するといったシンプルな仕組みになっているという。
Googleでは、サーバーレスという言葉が普及する以前の2008年に、アプリケーション開発プラットフォーム「App Engine」の提供を開始している。App EngineはJava、Python、Go、PHP、C#、Node.jsなど多くの言語やフレームワークに対応しており、さまざまな開発ツールとも親和性が高いことが特徴となっている。
アプリケーションの開発者は、任意の言語やフレームワークを普段利用しているツール、例えばEclipse、Visual Studio、Git、Jenkinsなどで開発することができる。また、アクセスコントロールやセキュリティスキャナーによる脆弱性検知といったセキュリティ機能も提供されている。
佐藤氏はApp Engineのミッションについて、「開発者にコードにフォーカスしてもらう。それ以外はGoogleが処理する」と説明した。
また、App Engineを利用したアプリのユーザー事例として、メルカリの姉妹アプリである「メルカリ カウル」や、米国を中心に人気のあるスマートフォン向け画像共有アプリ「Snapchat」を紹介した。
さらに佐藤氏は、アプリケーションの最小実行単位「ファンクション(機能)」の動作プラットフォーム「Cloud Function」についても説明した。App Engineがフルスタックのアプリを実行するためのプラットフォームであるのに対し、Cloud Functionでは小さい単位のイベント、つまりファンクション単位で実行させることができる。Cloud Functionの使い方として佐藤氏は、ほかのクラウドサービスで撮影した写真を受信し、サムネイルを作成するといったファンクションの例を挙げて説明した。