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国内企業のDX成熟度調査、DXに取り組む企業は多いものの取り組みは短期的~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は6日、国内ユーザー企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する取り組み状況を調査し、成熟度を分析した結果を発表した。国内企業の約4割は成熟度が5段階中3番目のステージにあり、DXに取り組む企業は多いものの、その取り組みは短期的で、従来のビジネスの効率化が中心であると分析している。

 IDC Japanでは、DXを「企業が第3のプラットフォーム技術を利用して、新たな製品やサービス、ビジネスモデル、新しい関係を通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」と定義。こうしたデジタル技術活用による企業のビジネス変革の可能性について、リーダーシップ変革、オムニエクスペリエンス変革、ワークソース変革、運用モデル変革、情報変革の5つの側面から調査した。

 2017年12月実施の本調査では、従業員1000人以上の大規模企業に所属する、部長クラス以上あるいは予算・企画等の意思決定者である係長クラス以上の548人に対してウェブアンケートを実施し、国内ITユーザー企業のDXに対する取り組みの成熟度を分析した。成熟度については、特定のIT環境についてまったく導入していない場合をステージ0(未導入)とし、導入後のユーザー企業の成熟度をステージ1(個人依存)、ステージ2(限定的導入)、ステージ3(標準基盤化)、ステージ4(定量的管理)、ステージ5(継続的革新)までの5段階で評価している。

国内デジタルトランスフォーメーション市場の成熟度分布(出典:IDC Japan)

 その結果、国内企業のDXの成熟度の割合は、ステージ1が3.6%、ステージ2が17.9%、ステージ3が42.6%、ステージ4が30.3%、ステージ5が5.6%となった。評価尺度別の分析でも、5つの側面のすべてでステージ3の企業が最も多いという結果になった。前年の調査結果と比べて成熟度に大きな進展はみられず、革新的な製品やサービスを連続的に創出し、市場に変革をもたらすレベルの企業は限られているとしている。

 IDC Japan ITサービスグループ リサーチマネージャーの木村聡宏氏は、「国内のDX成熟度は足踏み状態にある。こうした状態を脱却できるか否かは、DX人材にかかっている。国内企業は、組織の壁を超えた横断的かつ持続的な変革を推進できるDX人材の発掘や育成、確保を進め、DX人材が活躍できる環境を整備すべきである」と述べている。