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キヤノンとシーメンスが協業、工場の自動化を支援するソリューションを提供
2018年2月14日 14:13
キヤノン株式会社は14日、工場における生産現場の自動化(FA:Factory Automation)の分野においてシーメンス株式会社と協業を開始し、各種システムソリューションを順次発売していくと発表した。
キヤノンでは、生産現場における人件費の高騰や人手不足などから、FAに対するニーズの高まりを受け、ネットワークカメラや産業用カメラなどのイメージング技術や、画像処理技術などを結集し、工場の「見える化」を実現する「Canon Industrial Imaging Platform」として、生産現場の自動化と生産性向上を促進するためのシステムソリューションを提供していく。
今回、生産現場のデジタル化と自動化に強みを持つシーメンスの製品群と、キヤノンが培ってきたイメージング技術を連携させ、FAを支援するさまざまなシステムソリューションを提供していくため、シーメンスとの協業を開始した。
協業の第一弾として、シーメンス製の産業用PC「SIMATIC IPC」に、キヤノンの異常監視・録画ソフトウエア「Monitoring Edition」および画像処理ソフトウエア「Vision Edition」をあらかじめインストールし、生産設備への組み込みが可能なFA用システムソリューションを、2018年3月から順次、国内で販売を開始する。
Monitoring Editionは、マイルストーンシステムズのビデオ管理ソフトウエア「XProtect」に、生産設備の制御を担うPLCとの通信ができる機能を組み込み、ネットワークカメラで撮影された問題発生時の映像を切り出して、外付けHDDなどに自動録画できるソフトウェア。生産ラインにおけるトラブルに対して、発生前後の映像など見たい映像を容易に抽出でき、生産設備の早期復旧に貢献する。
Vision Editionは、キヤノン製のネットワークカメラや新たに発売する産業用カメラ「N10-W02」と、画像処理技術を組み合わせたソフトウェア。カメラと映像解析を使うことで、装置のアナログメーターやデジタルメーターの読み取り、異常などを知らせるパトライトの識別、生産ラインにおける部品の有無確認、バーコード読み取りなどの作業を自動化できる。
また、株式会社デンソーウェーブ製の小型アームロボット「COBOTTA」とN10-W02を連動させることで、部品のつまみ上げや再配置を行う“ピック・アンド・プレース”の作業も可能。フローチャート式のツールにより簡単に画像処理やロボット操作を組み合わせることができ、工場の単純作業の自動化に貢献する。
製品の発売時期は、Monitoring Editionが4月下旬、Vision EditionとN10-W02が3月上旬。また、今後はシーメンス製のSCADAシステム「SIMATIC WinCC」と生産現場の映像データを連携させることにより、さらに広範囲の映像データの活用を可能にするシステムを商品化する予定としている。