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レノボと日商エレが提携、Azure Stackによるハイブリッドクラウドを共同展開
2017年12月8日 06:00
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社(以下、レノボ)と日商エレクトロニクス株式会社(以下、日商エレ)は7日、Microsoft Azure、Microsoft Azure Stackによるハイブリッドクラウドソリューションを共同で展開すると発表した。
マイクロソフトでは、パブリッククラウドのMicrosoft Azureと、その拡張機能としてユーザー企業の自社データセンターなどに設置するAzure Stackを組み合わせ、一貫性のあるハイブリッドクラウドソリューションを提供できるとして、国内でも本格的な訴求を始めている。
Azure Stackはソフトウェアだけで提供するのではなく、パートナーのハードウェアベンダーが提供するサーバーシステムに組み込まれた形で製品化されており、レノボも「Lenovo ThinkAgile SX for Microsoft Azure Stack」を7月より国内で販売開始。レノボでは、同社が注力しているハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品の1つとして展開を進めている。
HCIということでは、レノボはNutanixのソフトウェアを搭載した製品「Lenovo Converged HX Series」を2016年7月から提供しており、2012年からNutanix製品を国内で提供している日商エレとも、販売パートナー契約を締結していた。今回はこうした体制を拡大し、Azure Stackにおいても共同で取り組みを進めるとのこと。
日商エレは顧客からのクラウド化の要望に対応するため、かねてMicrosoft Azureの関連事業へ積極的に投資するほか、技術者の育成を図っており、今回は、金融やエンタープライズ企業でのクラウド構築実績をもとに、「Lenovo ThinkAgile SX for Microsoft Azure Stack」と、ネットワークを含む周辺システム構築サービスと運用保守サービスをバンドルした、「Lenovo ThinkAgile SX for Microsoft Azure Stack Powered by 日商エレクトロニクス」を提供開始する。
あわせて、フィジビリティスタディ(実行可能性調査)、導入コンサルティング、インテグレーションなどのサービスを順次リリースし、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援したい考え。フィジビリティスタディサービスは、日本マイクロソフトが提供するソリューションメニュー「Cloud Everywhere」の1つとして、12月より開始する。
日商エレ ITプラットフォーム事業本部 副事業本部長の榎本瑞樹氏は、「お客さまは製品が欲しいのではなく、ビジネスゴールを達成するためのものを望んでいる。このため当社は、ソリューションを導入して何が良くなるのか、ビジネスへの貢献ができたのか、といった結果へのコミットを重要視している。マイクロソフトとの協業もさまざま進めており、クラウドサービスのすべてを分かった上で、最適なクラウド導入手法を提案する」と述べた。
また日商エレでは、技術的な知見を深めるため、社内システムに「Lenovo ThinkAgile SX for Microsoft Azure Stack」を導入。その過程で得たノウハウを技術資料にまとめて公開するとしている。
なお、前述のようにレノボ、日商エレともにNutanixを取り扱っており、Azure Stack以外のハイブリッドクラウドソリューションも提供できる。これについては、「それぞれにサービスメニューが異なっており、お客さまが何をされたいかによる」(日商エレの榎本氏)、「お客さまのニーズを分析し、しかるべきソリューションを提供するべき」(レノボ 代表取締役社長のロバート・スチーブンソン氏)としており、個々のケースによって最適なものを分析し、提案していく考えを示した。