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NTTデータ、東京・町田市の全公立小中学校にシンクライアント技術を用いたタブレット環境を提供

 株式会社NTTデータは4日、東京都町田市内の公立小中学校の2校に対してタブレット端末(Chromebook)を先行配付し、2018年2月をめどに教職員向けシンクライアント環境の提供を開始すると発表した。2017年度は2校に導入し、2018年度から2020年度にかけて町田市内の全公立小中学校(計62校)に順次展開していく予定。

 NTTデータの構築するシンクライアント環境、Chromebook、株式会社NTTドコモが提供するLTE回線を組み合わせて提供することで、ICT機器を活用した効果的な授業の実施のほか、校外学習など場所を問わない自由な授業スタイルや、セキュリティが確保された校務環境の整備と教職員の柔軟な働き方を実現する。

 町田市では、2020年度からプログラミング教育が小学校で必修化される新学習指導要領などに先駆け、「町田市5ヵ年計画17-21」の中で、タブレットなどのICT機器を活用した効果的な授業の推進および教職員の校務負担の軽減を目標に、ICT機器の整備を重点事業として取り組んでいる。

 こうした新たなICT環境の整備にあたり、1)既存のPC端末やネットワーク機器の老朽化、2)ICT機器の管理負担の増加、3)文部科学省指針「教育情報セキュリティのための緊急提言」――にのっとった情報セキュリティへの対応などの課題を踏まえ、町田市ではNTTデータ、Google、NTTドコモの持つICTソリューションを組み合わせて、投資対効果を最大化したICT環境を採用することとなった。

 市内全公立学校に対して、シンクライアント環境、ChromebookおよびLTE回線を組み合わせ提供する取り組みは、全国で初めてとなるとしている。

新たな学校ICTソリューションの活用イメージ

 シンクライアント環境により、データをタブレット端末自体に残さないセキュアな環境を実現しつつ、教職員が利用する学習系ネットワークと校務系ネットワークを物理的・論理的に分離することで、情報漏えいや児童生徒などによる重要情報へのアクセス防止を図る。シンクライアントはWindows環境として提供することで、教職員がこれまでWindows端末で作成した教材なども引き続き活用できる。

 Chromebookについては、タブレットとノートPCの兼用が可能となる2in1モデルの端末を採用。端末価格が廉価でありながら、短時間での起動や高度なセキュリティ対策が施された端末であることに加え、Googleが提供する多様なアプリを活用することが可能で、教育現場のニーズに即した機能を備える。また、ユーザー、デバイス、アプリの一元管理を実現する管理コンソールを活用することで、導入および維持運用コストの軽減が見込まれる。

 LTE回線は、新たに無線LAN環境などを設置する場合と比較して、ネットワーク整備に伴う回線工事が不要となり、校内外を問わずセキュリティの高いネットワーク環境を実現できる。タブレットの持つ携帯性を発揮した授業や、社会科見学や修学旅行といった校外学習など、自由な授業スタイルによる実践を通じた学びが実現でき、教職員は場所を問わずに端末を利用できるため、在宅勤務(テレワーク)などの柔軟な働き方を可能にするとしている。

 2017年度は、町田市内のICTモデル校2校(小山ヶ丘小学校、堺中学校)に展開。2018年度から2020年度にかけて、町田市内の全公立小中学校(計62校)に順次展開していく予定。児童生徒および教職員用のタブレットは合計約4500台を段階的に配備し、シンクライアント環境は町田市の全教職員約2000人分の接続環境を整備する予定。

 また、今回の町田市の取り組みは、総務省の次世代学校ICT環境の整備に関する実証事業注に採択されており、今後3年にわたり、取り組みの効果を測定し、成果を報告する。NTTデータではこの取り組み結果について、同様の課題を抱える全国の自治体への展開・活用を目指す。