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デロイトトーマツとSAPジャパン、SAP S/4HANAとSAP Leonardoを活用したソリューション群「Deloitte Reimagine Platform」を提供

 デロイトトーマツコンサルティング合同会社(以下、DTC)は1日、SAPジャパン株式会社と協力し、SAPの次世代ERP「SAP S/4HANA」に対応したテンプレートや、デジタルイノベーションシステム「SAP Leonardo」を利用して開発した次世代デジタルソリューション群「Deloitte Reimagine Platform」の提供を開始した。

 Deloitte Reimagine Platformは、SAP Leonardoの諸機能を利用して開発したプラットフォームで、実業務に適合するよう設計されたソリューションをアジャイルに検証し、活用することが可能。また、Deloitteがグローバルで有するSAP S/4HANAの導入経験を活かし、各業界に特化して開発してきた「Pre-Configured」テンプレートにより、企業のSAP S/4HANAの導入を加速する。

 これにより、日本企業が基幹システムおよびバリューチェーン全体への先進デジタル技術の導入の遅れの要因として挙げる「先進技術の活用例が乏しいがゆえ、基幹システムのデジタル化が進まない」「基幹システムのデジタル化の遅れがゆえ、先進技術の活用が進まない」といったジレンマを解消するとしている。

 一例としては、Deloitteがこれまで培ってきた会計領域のデジタル化の豊富な知見を基に開発した、SAP S/4HANA向けテンプレート「Financial Transformation Accelerator」と「Deloitte Reimagine Platform」のソリューションを組合せることで、機械学習を活用した、入金消込および不正経理処理検知の自動化およびビッグデータを活用した収益性の予測的分析を実現する。

 Deloitte Reimagine Platformソリューションの開発は、特定業務のマイクロサービスからスタートし、それらを統合して効果を増大させ、最終的に各業界に特化したソリューションパッケージをSaaSとして提供することを目指す。企業は、マイクロサービスの適用を手始めに、デジタル化の恩恵を指数関数的に享受できるようになるとしている。

 Deloitte Reimagine Platformでは、ファイナンス、サプライチェーン、インテグレーテッドSaaSの3分野のソリューションに注力。ファイナンス分野では、機械学習を活用した経理業務の自動化や、AIの認知技術を活用した財務データの分析・予測、コンプライアンスやガバナンスの向上を実現するソリューションなどを提供する。

 サプライチェーン分野では、IoTやビッグデータ分析を活用して生産ラインのリアルタイム分析やロジスティクスの詳細を可視化するソリューションや、AIの認知技術を活用してデジタル化された工場から収集されたさまざまなデータを統合し、高次の分析により予測的な意思決定を実現するソリューション、これらのソリューション導入後の未来に、サプライチェーン全体のデジタル化を実現し、戦略的な意思決定の自動化を視野に入れたソリューションなどを提供する。

 インテグレーテッドSaaS分野では、SAP S/4HANAの各業界向けベストプラクティステンプレートと、Deloitte Reimagine Platform上のマイクロサービスや、SAP Cloud Platform上に開発したアプリケーションを組み合わせて、SaaSとして利用できる「Industry Cloud Acceleration」を提供する。例としては、ヘルスケア業界、不動産業界向けのソリューションを挙げており、DTCではさらに日本企業固有の課題を解決するためのソリューション群を順次提供していく予定としている。

 また、一般に基幹システムのオンプレミスとクラウド間の統合は非常に困難な作業となるが、M&Aなどにより、本社はオンプレミスで子会社はクラウドを適用するといった二層構造も一般的に起こり得るとして、SAP Cloud PlatformとDeloitteのグローバルの豊富な知見を活用して、この二層構造の実現を可能にする「Cloud2Core」を提供する。

 DTCとSAPジャパンではこれらのソリューションに加え、今後もさらに新たなソリューションを開発し、提供していくとしている。