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GMOインターネット、ブロックチェーンを利用した本人確認の仕組みを実現する「KYC」を公開

「GMOブロックチェーン オープンソース提供プロジェクト」の第5弾

 GMOインターネット株式会社は18日、ブロックチェーンを利用したプログラムをオープンソース(改変可能・商用可能ライセンス)として公開する「GMOブロックチェーン オープンソース提供プロジェクト(以下、GMOブロックチェーンOSS)」の第5弾として、本人確認を簡単・スピーディーに行える「KYC」の公開を開始した。

 KYC(Know Your Customer)とは、新規に口座開設する際に銀行側から要求される、顧客本人の身元確認における書類手続きの総称。今回、オープンソースとして公開する「KYC」は、これをブロックチェーン上で実現することで、本人確認にかかる人的・金銭的コストの削減が実現できるプログラム。

GMOインターネット、ブロックチェーンを利用した本人確認の仕組みを実現する「KYC」を公開 「KYC」の仕組み
「KYC」の仕組み

 公開した「KYC」では、アドレスと対になった「鍵」の所有者しか処理できないという、ブロックチェーンの特徴を活かし、利用者が認証事業者によって身元などが認証済みの個人情報を、本人のブロックチェーンアドレスと関連付けてブロックチェーン上に記録しておくことで、銀行などのサービス登録時に必要となる本人確認を簡単かつスピーディーに行えるようにする。

 一度、認証事業者を通じて本人認証を行っておけば、銀行の口座開設や、クレジットカードの作成、トークン取引所での取引開始といった本人確認が必要なシーンにおいて、利用者が提供を承諾した個人情報と、ブロックチェーン上に記録された情報を照合する形で本人確認が行えるため、これまで書面の送付などによる本人確認で負担となっていた作業と金銭的なコストを削減できる。また、ブロックチェーン上には個人情報は保存されず、ハッシュ値だけが記録されるため、ブロックチェーン上から個人情報が漏洩することがない。

 GMOインターネットでは、「KYC」による本人確認の仕組みを、GMOブロックチェーンOSSで提供している各種プログラムと組み合わせることで、トークンの取引所を構築できる「トークントレーダー」での本人確認を容易にすることや、本人確認済みの利用者でしか購入できないチケット販売システムなど、さらに高度なサービスが実現可能になると説明。

 プログラムの導入にあたっても、認証事業者は既存の本人確認フローに「利用者のアドレスの確認」と「ブロックチェーンへのハッシュ値登録」の処理を組み込むだけでよく、各種サービス提供者も従来の口座開設やサービス申し込みなどの処理に「QRコードの生成・表示」と「個人情報の取得+確認処理」を組み込めばすぐに導入でき、大きな手間はかからないとしている。

 また、「KYC」ではブロックチェーンへの記録にかかる費用を、サービス提供者などが日本円などでまとめて代払いできる機能を用意しているため、各関係者は仮想通貨で都度支払いをする必要なく、本人確認の仕組みを利用できる。

 現在、GMOブロックチェーンOSSでは、この仕組みの実用化に向けて、GMOグローバルサイン株式会社と共同で、認証事業者向けのスマートフォンアプリの開発および実証実験の準備を進めており、今後もさまざまなニーズに沿ったオープンソースプログラムを定期的に公開していくとしている。