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NEC PC、法人向けPCブランドを「LAVIE」に統一 AI時代に向けた事業戦略とCopilot+ PC準拠の7機種を発表

 NECパーソナルコンピュータ株式会社は23日、法人向けPCブランドを「LAVIE」に統一すると発表した。これまでは法人向けPCブランドとして、デスクトップは「Mate」、ノートPCでは「Versa Pro」を使用してきたが、今後は、個人向けPCブランドで使用していた「LAVIE」に統一。NECパソコンとしての認知度を高めやすくするとともに、個人利用と法人利用の境目がなくなっているAI時代の新たな利用提案を加速する。

法人向けPCブランドを「LAVIE」に統一

 また、NECパーソナルコンピュータでは、2026年度の事業戦略として、「販売パートナーとの連携をさらに強化」、「AI活用を加速するコンピューティング環境を拡充」、「PCブランドの進化と攻めの商品提供」に取り組む方針も打ち出した。

2026年度の事業戦略

 NECパーソナルコンピュータの檜山太郎社長は、「NECのPCブランドについては、長い期間にわたって議論をしてきた。AI時代におけるPC活用は、仕事で使うAIエージェント、プライベートで使用するAIエージェント、公共の場で利用するAIエージェントなどが連携し、区切りがない状況が生まれる。PCの活用においては、これまでのような法人向けや個人向けといった区分けがなくなるだろう。ブランドを統一した方が、NECパーソナルコンピュータとしての価値を訴求できる」と説明。

 「NECパーソナルコンピュータが提案するライフスタイルは何かを考えた場合、MateやVersa Proのブランドや、これまでとは異なる新ブランドよりも、LAVIEのブランドが最も適しているという結論に至った。製造、販売、技術が、NECパーソナルコンピュータに一本化されてから1年を経過した。これは、NECが約50年前に、パソコン事業をスタートしたときの体制に戻ったともいえる。ブランド統一はそうした背景もある」などと述べた。

NECパーソナルコンピュータ 代表取締役 執行役員社長の檜山太郎氏

 また、NECパーソナルコンピュータ 業務執行役員兼コマーシャル事業本部長の宮前豊氏は、「AI時代におけるビジネスPCの価値を再考した。その結果、価値創出と意思決定を支えるビジネスユーザーの伴走者になるべきだと考えた。そこで、ブランドについても検討を行った。これまでの製品ブランドは、ビジネスを止めないプロフェッショナルのためのツールであった。今後は、これを継承しながら、働く人を支え続けるブランドへの進化を図る。業務ツールにとどまらず、働く人の成果とキャリアを支え続けることになる」と説明。その上で、「LAVIEは、フランス語で人生という意味を持つ。業務ツールにとどまらず、『働く人生』を支え続けるブランドとして、最適であると考えた」と述べた。

NECパーソナルコンピュータ 業務執行役員兼コマーシャル事業本部長の宮前豊氏

2025年度は市場全体を上回る成長を実現、今後はAIシステムに対する投資額を大幅に増加

 説明会では、NEC PCの法人向けビジネスが好調であることも強調した。

 2025年度第1四半期(2025年4月~6月)には6.4%のシェアにとどまっていたが、2025年度第4四半期(2026年1月~3月)は11.8%にまで拡大している。

 NECパーソナルコンピュータは2025年4月に、法人向けPCの販売機能をNECから移管している。PC-9800シリーズなどを発売していた時期を「NEC PC 1.0」、レノボグループ入りした2011年以降を「NEC PC 2.0」としているのに対して、2025年4月以降の体制を「NEC PC 3.0」と位置づけている。

 檜山社長は、「生産・販売・技術を一体化した組織となった。これにより、お客さまの声をいち早く、設計・技術・生産部門に展開でき、進化する技術も迅速にお客さまに届けることができる。パートナーおよびお客さまとの連携強化に加え、部品、OS、アプリケーションを提供する企業からの支援も強化された。シェア向上は、それらの成果によるもの」と語った。

 また、「法人向けPCおよび個人向けPCに関して、日本国内で研究開発・生産・販売・サポートを完結する体制を構築したことで、国内拠点の連携強化とグローバルスケールを活用した効率化を実現できた。日本のお客さまの安心に寄り添える体制が整い、そのスタートラインに立てた。日本のお客さまに、最善の解を提案する」とも述べた。

日本国内で研究開発・生産・販売・サポートを完結する体制を構築

 シェア向上の原動力になった製品としては、2025年9月に発売したVersaPro UltraLite タイプVYを挙げ、「1kg以下の軽量化を実現しながら、世界最長のバッテリー駆動時間を実現した。AI時代に必要となる製品を提供できている」と語った。

 NECパーソナルコンピュータの宮前事業本部長は、「2025年度は、市場全体を上回る成長を遂げることができた。お客さまからは、『特徴ある商品ラインアップが増えた』、『バッテリーが長持ちする製品はいい』という声が出ている。また、販売パートナーからは、『製販一体によって、レスポンスが早くなり、売りやすくなった』という声がある。体制が一本化された成果が出ている」と胸を張った。

市場伸長を上回る成長を実現

 なお、2026年度の国内PC市場は、2025年度の特需の反動があり落ち込むことになる。だが檜山社長は、これを「PC市場環境が特需から元に戻る状況」と表現。

 その一方で、「AIシステムに対する投資額は大幅に増加する。2027年度には、2024年度比で約3倍に拡大すると見ている。さらに、AIは学習の時代から、推論の時代が前倒しで訪れており、クライアントコンピューティング、エッジ、オンプレミスが注目される時代に入る。5Gによる常時接続技術、Copilot+ PCクラスのパフォーマンス、小規模基盤モデル(SLM)への対応が求められており、NEC PCにとっては重要なポイントを迎えている」と位置づけ、「今後も継続的にシェア拡大を目指していく。かつてのNECパソコンが持っていたシェアにまで戻したい」と述べた。当面は、法人向けPC市場におけるシェア20%の獲得が目標となりそうだ。

2026年度事業戦略:「パートナー」「AI」「ブランド」を軸とした3大施策を展開へ

 一方、2026年度の事業戦略として、「販売パートナーとの連携をさらに強化」、「AI活用を加速するコンピューティング環境を拡充」、「PCブランドの進化と攻めの商品提供」を挙げ、「パートナー、AI、ブランドの3つの観点で、事業をさらに拡大する」(宮前事業本部長)と意気込みを見せた。

 「販売パートナーとの連携をさらに強化」では、取引ボリュームに応じた販売パートナープログラム制度を拡充し、支援を強化。同時に、医療や公共、教育などの特定業種に強みを持つアライアンスパートナーとの連携スキームを組み、提案シナリオを構築するための組織を新設。「これまでにもGIGAスクール向けの提案シナリオを用意してきたが、これを業種展開として広げることになる」という。また、販売パートナーとの連携強化により、NECパソコンを未導入の企業に対する導入支援を行う考えも示した。

 2つめの「AI活用を加速するコンピューティング環境を拡充」では、現在、ラインアップの3割を占めているAI PCを、スタンダードモデルにまで広げることで約7割にまで拡大。独自AIソリューションであるAI PLUS Bizの強化やAIバッテリー制御の強化も図る。さらに、従来からのISVパートナー協業プログラムに加えて、販売パートナーとの協業モデルも確立することで、AIを活用した新たなユースケースの創出、アフターサービスまでを含めた提案、AI技術に関する検証サポートの提供などを進めることになる。
 3つめの「PCブランドの進化と攻めの商品提供」では、LAVIEへのブランド一本化をベースにした訴求を推進するとともに、「場所を問わずにパフォーマンスを発揮する製品を開発し、これを国内市場に投入していく」と述べた。

法人向けAI PCを7機種発表

 また、NECパーソナルコンピュータでは、法人向けAI PCの新製品として7機種を発表した。2026年7月下旬から順次発売する。

 NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部の三島達夫本部長は、今回の新製品を「すべてがCopilot+ PCに準拠した製品となる。働く人を支え続け、ビジネスを止めない新たなラインアップを用意した」と位置づけた。

NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部長の三島達夫氏

 大画面化により生産性向上を図ったモバイルノートの「LAVIE BM94C」は、約999gの軽量化(最軽量構成時)を実現しながら、動画再生で約30.5時間、アイドル時には約50.8時間の世界最長バッテリー駆動を実現した。CPUにはインテル Core Ultra 7もしくはインテル Core Ultra 5プロセッサーを搭載したほか、14型の16:10ディスプレイを採用。Thunderbolt 4対応USB Type-Cや有線LANなどの豊富なインターフェイスを搭載している。

LAVIE BM94C
LAVIE BM94Cの特長

 三島本部長は、「モバイルPCに求められる要件として、長時間バッテリー駆動、急速充電、交換可能なバッテリーなど、バッテリーに関する要望が高まっている。一方で、1kg以下のモバイルPCの比率は増加傾向にあり、2025年度には39%を占めている。バッテリーライフと軽さの両立は、相反する永遠のニーズである」と前置き。

 「今回の新製品は、Project 999(スリーナイン)として、99.9Whの超大容量バッテリーの搭載と、999gの軽量化を目標に開発した。持ち運び時の負担を減らしながら、モバイル利用時の長時間駆動を両立することができた。圧倒的な長時間は、トータルでの軽さを実現する。出張時にもモバイルバッテリーやACアダプタを持たなくて済むため、荷物を約500g軽くできる。充電できるカフェを探したり、会議室のコンセントを取り合ったり、バッテリー切れを想定した持ち物ストレスから解放されるといったメリットがある」と語った。

 底面と天板に、航空宇宙グレードカーボンを使用。天板内部には、東レ製の超軽量コアの最新カーボンを活用することで、軽さと剛性を両立したほか、天板およびパームレストに、防指紋、耐摩擦コーティングを施している。

 BM94Cの価格は、58万4100円から。

 さらに、LAVIE BM74Cでは、14型液晶を搭載しながらも、最軽量時に約914gの軽量設計と22.6時間のバッテリー駆動を両立させた。

 また、LAVIE BM54Cは、インテルCore 5プロセッサーを搭載した14型スタンダードAI PCに位置づけられた。バッテリー交換時には、脱落防止リング付きネジの採用や、基板にうっかり触ることがない安全な設計を採用。プラスドライバーを使用し、4つのネジだけで交換ができるようにした。

 価格は、BM74Cが55万6600円から、BM54Cが49万7200円から。

LAVIE BM74C/BM54Cの特長

 このほか、インテル Core Ultra 7もしくはインテル Core Ultra 5プロセッサーを搭載した16型スタンダードノートPCの「LAVIE BN76C」、インテル Core 7もしくはインテル Core 5プロセッサーを搭載した「LAVIE BN56C」、AMD Ryzen AI 5 430プロセッサーを搭載した「LAVIE BN56R」も発売する。

 「生産性向上のための新たなスタンダードパソコンとなる。また、安全性と交換のしやすさを両立したセルフメンテナンス設計により、業務を止めないオフィスノートを実現した」と説明した。SSDやメモリ、バッテリーが交換可能であり、キーボード面への水こぼしにも強い防滴設計となっている。

 価格は、BN76Cが48万8400円から、BN56Cが40万4800円から、BN56Rが46万9700円から。

LAVIE BN76C/BN56C/BN56Rの特長

 13型タッチディスプレイを搭載したWindowsタブレットPCの「LAVIE BT53C」は、500cd/㎡の高輝度液晶の搭載や、Copilot+ PCに準拠したAI性能を実現。自立スタンドを内蔵しているほか、5G通信や充電式キーボード、ペンをオプションで選択できる。インテルCore Ultra 7もしくはインテルCore Ultra 5プロセッサーの性能を最大限発揮するために、デュアルファンによる排熱設計も採用している。

 「場所もシーンも選ばずに利用できる2in1パソコンとなる。オフィスから現場まで、シーンを選ばずに利用ができる」という。BT53Cの価格は61万1600円から。

LAVIE BT53Cの特長

 なお、今回の新製品のすべてで、独自のAIサポートソフトウェア「AI Plus Biz」やAIバッテリーマネジメントなどを組み合わせている。

 AI Plus Bizは、ボットとの対話形式で、PCのトラブルを自己解決できる機能で、これまでは不可能だった「PCが遅い」といったあいまいな質問に対しても、選択肢を提供し、回答にたどり着きやすくした。

 また、AIスマート充電機能により、5年後のバッテリー劣化を抑制。AIによる制御によってバッテリー消費を最適化するロングバッテリーモードも用意している。新たな機能として、LAVIEスマートバックアップを搭載。セカンドSSDに、データをローカルで自動保護することができる。

LAVIEスマートバックアップ

 さらに、最長7年間のサポートを新たに提供することも発表した。

 一方、NECブランドのPCが、2026年7月に、累計出荷台数で1億台を達成したことも発表した。NECは、1979年5月に、同社初のパソコンであるPC-8001を発売して以来、47年間での達成となる。

 なお、NECの最初のマイコンであるTK-80は、1976年8月3日の発売であり、ちょうど再来週には50周年の節目を迎えることになる。