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「IoT向けセキュリティはフルレイヤ、かつ業種ごとに最適なものを」――、トレンドマイクロ
IoT特有のセキュリティインテリジェンスも活用へ
2017年10月11日 14:02
「フルレイヤのセキュリティ、業種への最適化、そしてセキュリティインテリジェンスの活用という3点でIoT向けのセキュリティを提供する」――。
トレンドマイクロ株式会社は11日、IoT向けセキュリティ戦略を発表する記者会見を開催。その中で取締役副社長の大三川彰彦氏は、トレンドマイクロならではの特徴をこうアピールする。
トレンドマイクロでは、IoTに関するレイヤを「デバイス」「ネットワーク」「コントロールセンター(管理・制御部分)」「データアナライザ(分析)」の4層で考えているが、IoT環境では、これらのレイヤをまたいでデータが利活用されている。
例えば、デバイスから収集されたデータがネットワークを通じてクラウドへ送られ、そこに蓄積されたビッグデータがAIによって分析され、意味ある情報に変換される。そして、用途に応じて各デバイスに指示が送られ、それに従ってデバイスはアクションを起こす、といった具合だ。
このため、レイヤごとに保護を提供するのはもちろん、レイヤ間を移動するデータについても、適切に保護していく必要があると、大三川氏は指摘。これらをトータルに保護するソリューションを提供していくという。
IoTの利用のされ方は一様ではなく、業種によっては特有の環境が存在するため、2つ目のポイントとして挙げた「業種への最適化」を、十分に踏まえていく必要があるとのこと。トレンドマイクロでは、家庭向けの「スマートホーム」、製造業の工場を想定した「スマートファクトリー」、車載システムを想定した「スマートカー」などを例に取り、さまざまな業種、用途向けのソリューションを、その分野で実績を持つパートナーと共同で提供していくとアピールする。
大三川氏は、具体的なパートナーとの取り組み例として、日本システムウエア株式会社(NSW)との協業を挙げ、それ以外にもさまざまな提携を行っているとした。
3つ目のポイントであるセキュリティインテリジェンスは、もともとトレンドマイクロが実績を積んできたところだが、AI・機械学習の活用をさらに強化するほか、クラウド上のセキュリティ基盤技術「Trend Micro Smart Protection Network」に、IoT環境に特化したレピュテーションサービス「IoT Reputation Service」を追加。新しいセキュリティインテリジェンスとして提供する。
このサービスでは、Trend Micro Smart Protection Networkが設置されたネットワーク内の、IoTデバイスへの疑わしい挙動を検出し、その情報をIoT Reputation Serviceへフィードバックしていく。こうして、危険性のあるIoTデバイスの情報と、そのIoTデバイスの通信先の情報をデータベースに追加・蓄積していき、サイバー攻撃の通信と判断した場合は、データベースに攻撃元の情報をリスト化することで、同様の攻撃がほかのデバイスに行われた際に、通信を事前にブロックできるようにする仕組みだ。
大三川氏は、こうした3つのポイントを踏まえて、IoT向けセキュリティへの取り組みを今後も継続的に強化することを何度も強調。それぞれの領域において、パートナーとともに、ユーザーへトータルソリューションとして提供していくとアピールしている。
なお、今回は具体的な新製品・ソリューションの機能、価格といった詳細には言及されていないが、今後、順次登場してくる見込みだ。