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TIS、ITインフラの自動構築・テストを可能にする「SHIFT ware」をOSSとして公開

 TIS株式会社は、ITインフラ環境の自動構築、自動テストを行えるソフトウェア「SHIFT ware(シフト・ウェア)」を、オープンソースとして10月2日より公開した。ライセンスはApache License version 2.0。さまざまなOS・ミドルウェアに対する自動構築、自動テストのコードを用意しているため、すぐに利用を開始できるという。

 SHIFT wareは、TISが自社内の技術施策として取り組んでいる、「Infrastructure as Code」の技術を統合したフレームワーク。オープンソースソフトウェア(OSS)の構成管理ツール「Ansible」、テスト自動化フレームワーク「Serverspec」を実行環境とするテンプレート集で構成されている。

 加えて、Excelベースのフロントエンドツールを備えており、プログラミングの経験がないインフラエンジニアでも簡単に活用できるほか、自動構築やテストの勘所・ノウハウがないエンジニアでも、短時間で高い品質のITインフラ設定を行えるとした。

 TISでは、SHIFT wareを2016年9月より自社内で活用し、これまでに約60件の開発プロジェクトにおいてITインフラ環境の構築に利用してきた。その結果、数百台規模のプロジェクトの自動構築・テスト領域において、従来比30%低いコストでITインフラ環境を構築できたという。またある案件では、毎日の定常作業で仮想マシンを数十台デプロイするために、テストも含めて3時間程度かかっていた時間を、十数分に短縮できたとのこと。

 システム保守では、数十台~数百台あるシステムの脆弱性確認を、属人的なスクリプトベースの作業から、テンプレートを用いた自動的な作業に変更し、情報共有が容易になったとした。

 なおTISでは、SHIFT wareをOSSとして公開することで、「複数回や案件ごとで共通に繰り返される構築作業の膨大な時間の浪費」「手動で行うことによるミスと、余計な時間やコストの発生」といった課題を持つ国内のインフラエンジニアに対して、生産性向上を支援したい考え。

 また、オープンソースとしてOSS公開し、インフラエンジニアからフィードバックを受けることで、SHIFT ware自体の品質向上も図れるとしている。