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2016年の国内システムソフトウェア市場は前年比1.5%減、サーバー仮想化に対する投資の一巡やIaaSへの移行が影響~IDC Japan調査
2017年8月23日 06:00
IDC Japan株式会社は22日、2016年の国内システムソフトウェア市場規模実績と2021年までの市場規模予測を発表した。2016年の国内システムソフトウェア市場規模は、前年比1.5%減の1728億9600万円、2016年~2021年の年間平均成長率は3.8%と予測している。
調査におけるシステムソフトウェア市場は、サーバーオペレーティングシステム市場、Software-Defined Computeソフトウェア市場(バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェアから名称変更)、バーチャルクライアントコンピューティング市場、アベイラビリティ/クラスタリングソフトウェア市場で構成されている。
サーバーオペレーティングシステム市場については、2016年の市場規模は前年比0.2%増の750億3900万円で、Linuxが2桁以上の成長を達成したが、Windowsは微増、UNIXは大幅なマイナス成長となった。2016年~2021年の年間平均成長率は2.7%で、市場の傾向は変わらず、Linuxだけが高い成長を続けると予測している。
Software-Defined Computeソフトウェア市場については、市場の大部分を占めるバーチャルマシンソフトウェア(ハイパーバイザー)が、サーバー仮想化に対する投資の一巡や、オンプレミス仮想基盤からIaaS(Infrastructure as a Service)への移行の影響を受け、2016年の市場規模は前年比9.5%減の499億6900万円となった。2016年~2021年の年間平均成長率は3.5%で、今後もバーチャルマシンソフトウェアは低成長が続くが、その一方で、OpenStackとDockerに代表される新たなSoftware-Defined Computeソフトウェアの成長が市場を牽引すると予測している。
バーチャルクライアントコンピューティング市場は、2016年の市場規模は前年比8.9%増の261億6100万円。地方自治体を中心に情報漏洩対策として導入が進んだインターネット分離に、バーチャルクライアントコンピューティングの採用が推奨されたことが好調の要因になったとしている。2016年~2021年の年間平均率は8.5%で、インターネット分離による需要が今後も継続するとともに、企業の働き方改革に対する取り組みが活性化し、バーチャルクライアントコンピューティングを活用したワークスタイル変革も市場成長を後押しすると予測している。
アベイラビリティ/クラスタリングソフトウェア市場は、2016年の市場規模は前年比2.0%増の217億2700万円。Linux向け市場が好調な一方、UNIX向け市場とWindows向け市場はマイナス成長となった。2016年~2021年の年間平均成長率は2.4%で、Linux向け市場において、金融や公共、大手民間企業での基幹システム向けの高可用化需要が継続すると予測している。
IDC Japanソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、「ベンダーはOpenStackやDockerといった次世代のシステムソフトウェアに関するソリューションの構築とエンジニアの育成を行い、普及期に入り次第、すぐに市場機会を獲得できるように備えておくことが重要である」と述べている。