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日本ワムネット、企業間のコンテンツ転送に最適化したデータ転送サービス「DIRECT!EXTREME」

 日本ワムネット株式会社は22日、これまで同社が提供してきた大容量データ転送サービス「WAM!NET Direct!」を全面刷新し、新たに「DIRECT!EXTREME(ディレクト エクストリーム)」として8月より提供開始すると発表した。

 同日に行われたプレス発表会では、日本ワムネット 代表取締役社長の石澤幸信氏が登壇し、新サービスを提供する背景および新サービスの特徴について説明した。

「DIRECT!EXTREME」をアピールする日本ワムネット 代表取締役社長の石澤幸信氏

 日本ワムネットでは、インターネットの黎明期であった1999年の事業開始以来、一貫して大容量データ・コンテンツの拠点間転送・共有を行う通信サービスを展開。特に大容量データ転送サービス「WAM!NET Direct!」シリーズは、確実性と高度なセキュリティを重視するメディア・コンテンツ、エンターテインメント業界などで高く評価され、業界標準インフラとして100社を超える企業に導入されているという。

 今回、「WAM!NET Direct!」を全面刷新する背景について、日本ワムネット 代表取締役社長の石澤幸信氏は、「近年、身の回りのデータの種別が増加し、その容量は爆発的に膨大化している。また、インターネット回線の高速化にともない、国内ブロードバンド契約者の総トラフィック量も増大の一途をたどっている。こうした市場環境の中で、1999年にスタートした『WAM!NET Direct!』の現状のサービス内容では、顧客のデータ転送ニーズに十分な対応ができなくなりつつあった」と説明。

 「そこで今回、これまでの大容量ファイル転送サービスの実績から得たノウハウをもとに『WAM!NET Direct!』を全面刷新し、企業間・拠点間のコンテンツデータ転送に最適化した『DIRECT!EXTREME』として、新たに提供開始する」と述べた。

「DIRECT!EXTREME」のサービス概念図

 「DIRECT!EXTREME」サービスでは、超大容量データを超高速に、しかもセキュアに転送し、データ送受信に関連する業務の自動化を実現できるという。

 主な特徴としては、「スピード」「超大容量」「スケーラビリティ」「セキュリティ」「優れたUX/UI」の5つを挙げる。

 「スピード」については、高速モードと通常モードの2つの転送モードを用意。特に高速モードでは、クライアントソフト「Virtual Director X(VDX)」を利用し、独自UDPプロトコル+オンザフライ機能によって、超高速データ通信の確実な転送が可能となる。「従来の『WAM!NET Direct!』サービスと『DIRECT!EXTREME』(高速モード)で、1GBデータの転送速度を比較した結果、『DIRECT!EXTREME』が約7.8倍の高速化を達成した」(石澤氏)。

「WAM!NET Direct!」と「DIRECT!EXTREME」の転送速度比較

 「超大容量」では、1ファイルあたり最大2TBまでのデータを転送することが可能(VDX利用時)。一度に送信できるファイル数は無制限なので、HDDやアーカイブされたデジタル資産をそのまま、すべて転送することができる。

 「スケーラビリティ」では、サービス基盤にマイクロソフトのパブリッククラウドプラットフォームであるMicrosoft Azureを採用。これにより、回線帯域、データ容量、アクセス数などの急激な増加にも柔軟に対応することが可能となっている。

 「セキュリティ」については、ワムネットサポートセンターが24時間365日のトラフィック監視を実施。すべてのアクションのログ履歴の取得、転送されたデータの同一性を担保するチェックサム機能、通信経路のSSL暗号化(通常モード)、コンテンツのAES暗号化(高速モード)によって、企業に求められる高度なセキュリティに対応する。

 「さらに、『DIRECT!EXTREME』では、“私書箱”という新たな概念のデータ送受信スペースを提供する。この私書箱を通じて、ポリシーの異なる企業間でもセキュアにデータの送受信を行うことができる」(石澤氏)としている。

日本ワムネット 代表取締役社長の石澤幸信氏

 「優れたUX/UI」では、インターネットブラウザを利用した洗練されたUX/UIを実現。ドラッグアンドドロップによる簡単操作で、ITリテラシーに依存せず、誰でも容易に利用することができる。また、専用自動化ツールを利用することで、高いレベルでの業務効率化を図ることが可能だ。例えば、受信データを人手を介さずにネットワーク上のプリンタから出力したり、別サーバー上の所定ディレクトリに格納することもできるという。

 なお、「DIRECT!EXTREME」のサービス提供にあたり、技術支援パートナーとして株式会社インテックと提携。よりセキュアで安定したサービスを提供する。

 サービス料金(税別)は、導入時初期費用が5万円、月額料金はEXTREME50プラン(月間転送量50GB)が3万円、EXTREME100プラン(月間転送量100GB)が5万円、EXTREME500プラン(月間転送量500GB)が20万円。このほか、1TB超プランも用意している。

 同社では「DIRECT!EXTREME」サービスで、3年後に年間5億円の販売を見込む。