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新日鉄住金ソリューションズ、Oracle Cloudを自社のサービスとして提供へ

 新日鉄住金ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)は25日、日本オラクル株式会社との協業を強化し、同社のクラウドサービスである「absonne(アブソンヌ)」の新たなサービスとして、オラクルのクラウドサービスの提供を開始したことを発表した。また、同日都内にて開催されたOracle Cloud Platform Summit Tokyo 2017と同じ会場において、プレス向けの記者説明会を開催した。

 新しいサービスは、オラクルのクラウド・パートナー・プログラム「Oracle Cloud Managed Service Provider(MSP)プログラム」に沿って展開する。「OPN Cloud Program」認定パートナーの中でも、特に「Oracle Cloud Platform」での構築、導入、実行、管理に必要なスキル、ツール、およびプロセスを保有するパートナーのみに認定されるMSPプログラムに参画したことによって、NSSOLはabsonneのコンポーネントとしてOracle Cloudを提供することができるようになった。

MSP参画により新たに提供されるサービス
NSSOLが提供するOracle Cloudサービス

 NSSOLは自社のデータセンターに「Oracle Cloud Machine」を設置し、Oracle Cloud環境を同社の運用サービス「emerald(エメラルド)」と共に提供する。また、顧客データセンターに直接Oracle Cloud Machineを導入し、サブスクリプションで利用することのできる“占有パブリッククラウド”の提供形態にも対応する。

NSSOLのデータセンターだけではなく、顧客データセンターにも導入可能

 MSPプログラムに参画した背景として、NSSOL 取締役常務執行役員 ITインフラソリューション事業本部長 大城卓氏は、「お客さまからライセンスも含めた形で、Oracle環境をクラウド化できないのかという声が多数寄せられていた。また、Oracle Cloudというサービスはこれまでもあったが“"Oracle Cloud Machine”というハードウェアが登場したことで、データは外に出したくないがクラウド的な使い方をしたいというお客さまのニーズにも応えられるようになった」と説明する。

NSSOL 取締役常務執行役員 ITインフラソリューション事業本部長 大城卓氏

 日本オラクル 執行役 副社長 クラウド・テクノロジー事業統括 石積尚幸氏は、今後のオラクルのクラウド基本戦略を「IaaSの拡充」「Oracle Cloud at Custmorモデルの拡充」「PaaSクラウド独自サービスの拡充」であると述べた。

日本オラクル 執行役 副社長 クラウド・テクノロジー事業統括 石積尚幸氏
オラクルのクラウド基本戦略

 特にNSSOLの新サービスで導入されるOracle Cloud Machineについて石積氏は、「オラクルがクラウドサービスを提供してから3年が経過し、多くのお客さまにご利用いただけている。その一方で、クラウドのメリットはわかっているが、データを外に出すことができずクラウドに移行できないという声をよく耳にする。そんなお客さまのために何かできないかと考え、開発したハードウェアがOracle Cloud Machineであり、オラクルのユニークなクラウドサービスであるOracle Cloud at Customerだ。このサービスはオラクルのデータセンター内にあるクラウドサービス用のマシンを切り出して、お客さまのデータセンターに設置するようなもの。設置場所がお客さまのデータセンターであっても、パブリック・クラウドであるため運用管理はオラクルが実施し、料金もサブスクリプションモデルとなっている」と説明した。

 今回の協業関係の強化について石積氏は、「NSSOLのエンタープライズシステムでの高度な知見、Oracleテクノロジーへの深い知見、包括的で高度な運用サービスと、オラクルの持つクラウド・テクノロジーが融合し、両社の強みを生かしたエンタープライズ向けのハイブリッド・クラウドの提供を期待している」と期待をにじませた。

オラクルとNSSOLのクラウド協業モデル
握手をする日本オラクルの石積尚幸副社長(左)とNSSOLの大城卓取締役常務執行役員(右)