ニュース

ソフトバンクロボティクス、PepperとAzureを連携させるSDK・APIを無償提供

 日本マイクロソフト株式会社は21日、Microsoft AzureをベースにしたAI機能(Cognitive Services)をPepper上に実装するための取り組みの一貫として、ソフトバンクロボティクス株式会社が、同社のパートナー向けにSDK(ソフトウェア開発キット)とAPIを無料で提供すると発表した。Microsoft AzureをベースにしたAIサービス「Cognitive Services」との容易な連携が可能になるという。

 提供されるSDK「Cloud Robotics Azure Platform V1 SDK」は、1万行を超えるソースコードで構成され、デバイス間のルーティング機能と送受信制御機能、アプリケーションのルーティング機能と実行制御、各種ロギング、可用性担保の仕組み、管理ツールなどが含まれている。

 一方の「Cloud Robotics API」では、想定されるPepperの利用シナリオに沿って顔認識APIなど200行のコードを共通化しているため、開発者がPepperアプリに10行程度のコードを追加するだけで、Cognitive Servicesの機能を利用可能になる。このため、クラウドの知識や開発経験がなくとも、30分程度でCognitive Servicesが提供する顔認識や翻訳などの機能をPepperから利用できるようになるとのこと。なお、連携対象となるCognitive Servicesでは、音声、言語、知識、検索など人間の認知機能を25のAPIを通して提供している。

 ソフトバンクロボティクスでは、PepperとMicrosoft Azureを連携させることで、1)Azure IoT Hubを介し、Pepperとモバイルやタブレット、プリンタなどさまざまなIoTデバイスとの接続性が向上する、2)デバイス上の通信データがすべてロギング可能になる、3)翻訳・会話・画像認識などのCloud AIとの連携が可能になる、といったメリットを紹介。3)の例として、「Pepperが中国語を聞き取り、そのデータをTranslatorサービスと連携し、日本語に翻訳してPepperが話す」といったことも可能になると説明した。

 SDK/APIの無料提供は、ソフトバンクロボティクスが展開しているPepperパートナープログラムのロボアプリパートナーのうち、エントリーした企業の中から30社(サービス開始2週間は5社限定)が対象となる。エントリーは3月14日まで受け付け、Cloud Robotics APIは3月15日から6月30日まで利用可能。Microsoft AzureとCognitive Servicesは10万円相当が利用できるが、ソフトバンクロボティクスによれば、10万円は、APIについては50万回分の利用量に相当するとしている。

 なお日本マイクロソフトとソフトバンクロボティクスでは、「より多くの開発者がクラウドロボティクスのコンセプトに沿ったアプリ、ソリューションを開発し、より多くの顧客向けに、クラウドロボティクスベースのPepperによる接客が可能になることを期待している」とコメント。すでに、ネッツトヨタ栃木、ダンロップスポーツクラブの一部店舗で、このコンセプトに基づくソリューションが導入されていると紹介している。