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2015年の国内エンタープライズモビリティ管理ソリューション市場は97億円、2020年には232億円規模に~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は27日、エンタープライズモビリティ管理(EMM)ソリューションの国内市場について、2015年の市場規模実績と2020年までの市場規模予測を発表した。

 IDCでは、企業や組織で利用されているモバイルデバイスとモバイルアプリケーションを管理するソリューションを、EMMソリューションとして定義。パッケージソフトウェアとクラウド型サービスの2種類の提供形態別に市場規模を算出している。

 2015年の国内EMMソリューション市場規模については、前年比28.2%増の97億2100万円と推計。企業におけるモバイルデバイス活用の拡大に伴い、モバイルデバイスのセキュリティ対策や運用管理の効率化を図るために、EMMソリューションを導入する企業が増加しているという。

国内エンタープライズモビリティ管理ソリューション市場 売上額予測、2015年~2020年(出展:IDC Japan)

 提供形態別の内訳は、クラウド型サービス市場が前年比28.1%増の68億3700万円、パッケージソフトウェア市場が前年比28.3%増の28億8400万円。クラウド型サービスは低コストで導入しやすいため、中小企業から大手企業、学校などで幅広く利用されており、パッケージソフトウェアは、クラウド型サービスでは対応できない管理機能のカスタマイズや高度なセキュリティ機能を必要とする大手企業での導入が中心となっているという。

 2016年の国内EMMソリューション市場は前年比24.0%増の121億円となり、100億円を突破。2015年~2020年の年間平均成長率は19.0%で、2019年には市場規模が200億円を超え、2020年には232億円に達すると予測している。

 内訳は、クラウド型サービス市場は2015年~2020年の年間平均成長率が20.4%、2020年の市場規模は173億円、パッケージソフトウェア市場は2015年~2020年の年間平均成長率が15.3%、2020年の市場規模は59億円。企業の規模によらず幅広い顧客層で利用されやすいクラウド型サービスの方がパッケージソフトウェアよりも高い成長率になると予測している。

 IDC Japanソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩死は、「現在、多くの企業ではデバイスに対する管理を目的としたEMMの利用がほとんどであるが、徐々に企業のモビリティソリューションがモバイルアプリケーションの活用フェーズに移っており、セキュリティや管理に対する要件が高まっている傾向にある。これからのEMMソリューションの選定では、モバイルアプリケーションの管理とセキュリティが最も重要な選定項目になっていくであろう」と述べている。