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5G/5G+から吐息の遠隔伝送まで、次世代無線通信技術やIoTが盛りだくさん

「ワイヤレスジャパン 2015」開催

 無線ネットワーク技術やIoT/M2M、ウェアラブル端末、クラウドサービスなどの展示会「ワイヤレスジャパン 2015」が5月27日から29日まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中だ。併催イベント「ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2015」とあわせて、展示ブースの様子を紹介する。

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のブース。ホワイトスペース対応のLTEフェムトセル(上部)を展示している。これまでの基地局(右下)と比較して小型・軽量を実現した
ホワイトスペース対応スマートフォン。テレビの帯域を利用するため、国内では技術展開が難しいという。海外では技術利用が活発化しており、NICTのホワイトスペース技術は、フィリピン政府による採用が正式に決定している
デバイスを置くだけで電力供給とWi-Fi通信が可能な貫通式小型電極を採用したシート
デモでは電源を搭載していないミニ四駆らしきものが走っていた。右側に見えるLEDや小型ファンもシートから電力を供給している
電力供給されているシートに、何も装着していないシートをかざすと、枝分かれして電力・電波の供給が可能
布に電極を編みこむことも可能
小型無線飛行機による災害時無線中継伝送システム
超広帯域無線(UWB)を利用した動線取得とナビゲーション。GPSが利用できない屋内でも高精度で位置測定できる
UWB測位に対応したハンディ端末の試作機
官民が保有する地理空間(G空間)情報の流通を促進するプラットフォーム
「Wi-SUN」を利用した展示がいくつか見られた。「Wi-SUN」の省電力性、小型、中距離通信を利用した徘徊高齢者探索システム
デモ端末
「Wi-SUN」を利用した鉄道向け通信ネットワーク。鉄道向けの通信規格などは通常独自で取得するという。今回は、運行に直接影響しない用途について、オープンな規格を取り入れる1つの取り組みだという
「Wi-SUN」センサーなどで収集したライフログを活用したライフマネジメント
「Wi-SUN」規格の社会展開を目指すためのプロファイル多様化
東芝のブース。夏に発売予定の、近距離無線伝送技術「TransferJet」搭載SDカード
クライアントソフトと「TransferJet」アダプターをPCに装着することで、まだ伝送していないデータを自動で判別し、伝送する
「TransferJet」を内蔵した最新スマートフォン「F-04G」。虹彩認証に注目が集まるが、「TransferJet」に対応した初のスマートフォンでもある
アダプターにかざし、スマートフォンから設定を行うと伝送を開始する
「TransferJet」の高速通信を活かした動画配信用サイネージ。「F-04G」に関連した「アイドルマスター」「アップアップガールズ」のイベントにも「TransferJet」が活用されるという
iPhone向け「TransferJet」アダプター
クアルコムのハイエンド向けリファレンスボードに「TransferJet」が採用されている。このため、海外の一部で「TransferJet」搭載スマートフォンが登場しているという
Wi-Fi対応SDカード「FlashAir」をさまざまな用途に活かす展示も。これは、デジタルサイネージ用のサーバーとして活用する取り組み
スクリプト言語「Lua」に対応した第3世代の「FlashAir」
SDカードスロットを搭載し、温度・湿度のログを記録できる温湿度計。無線通信には対応してないが、「FlashAir」を利用することで、ネットワークに対応したIoT機器として利用できる。温湿度計には手を加えておらず、機器からは通常のSDカードとして認識されている
温湿度計のログは一度「FlashAir」内のストレージに蓄積され、それをサーバー側から取得する。写真はネットワーク経由で取得した温湿度計のデータ
ニフティのVPN接続サービス「スマートサーブ」と「FlashAir」を組み合わせた活用例
富士通のブース
分散アンテナユニット。CEATECではモックアップ展示だったが、今回は試作品を展示
独創的な形。左のモックでは十字架部分がアンテナ素子となっているが、右の試作品では既存のアンテナ技術を使用して評価試験を行っている。使用用途によってアンテナの数を組み替えられる
センサーネットワーク技術を使用した農畜産物の生産性と品質向上を目指す取り組み
ワイン畑で実験を行っている。写真はリアルタイムでの観測データと、センサーに設置されたカメラによる定点観測写真
ワイン畑に設置されたセンサー。なお、カラーは「シャアレッド」だという
災害時でもローカルネットワークを構築できる可搬型ICTユニット。ケース内にサーバー、ネットワーク設備、バッテリーを内蔵している
ローカルネットワーク内でSNSや内線通話が可能
自治体と共同で実験も行っているという
Wi-Fiネットワークの品質劣化箇所を早期特定するシステム
ネットワークのエンドツーエンドの品質劣化を検知する
NECのブース
次世代移動体通信技術「5G」で使用される「Massive MIMO」などの技術を使った「セルの仮想化」
「Massive MIMO」に対応したアンテナ。アンテナ内には小型アンテナ素子を360度搭載している
企業オフィス内で既存携帯電話を利用する内線サービス
「4096QAM」と112MHz帯を使用した無線の1Gbps伝送実験
80GHz帯に対応した高速無線伝送装置「iPASOLINK」
NTTのブース。次世代移動体通信技術「5G」などを扱っている。伝送実験として、既存周波数帯から70GHz帯で実験を行っている
新宿の街並みを再現し、どの程度のスループットが出るかのシュミレーション。上が「5G」で下が現在のLTE。「5G」では4Kなどの高解像度コンテンツもストレスなく再生できる
「5G」の次となる「5G+」実用化の明確なタイミングはまだ定まってないが、シュミレーション内では8Gbpsを超える速度を出した
「5G」や「5G+」では「Massive MIMO」と「ビームフォーミング」により、利用者に向けて効率よく電波を照射できる
ミリ波(60GHz帯)を使った非接触高速伝送技術
9GHz帯域幅が利用でき、最大2Gbpsの伝送速度を実現。端末との近距離接続のため、ロスが非常に少ないという
データ伝送の様子。スマートフォンはミリ波通信用に改造されている
KDDIブース。ビーコンを使用した屋内測位エンジンを展示している。「渋谷歩行者ナビ」で使用されたビーコンのモックと、アプリを内蔵したスマートフォンを展示していた
壁や天井に設置した「BLEタグ」のほか、スマートフォン内の「加速度センサー」「角速度センター」「地磁気センサー」を使用した、ハイブリッド測位により高精度な測位を実現している
渋谷駅内に設置されているビーコンと同一のもの
「渋谷歩行者ナビ」をインストールしたスマートフォン
「測位・位置情報の最新技術」コーナーに設置されているリコーのブース。「音波ビーコン」による測位システムを展示していた
手前のドーム状のデバイスが「音波ビーコン」。スマートフォンのマイクで音波を受信できるため、あらたなデバイスの追加なしに高精度な測位が可能
屋内測位実験の様子
企業オフィス内向けにICタグを用いた屋内測位システム
準天頂衛星「みちびき」を使用した災害・危機管理通報サービス「災危通報」と、衛星安否確認サービス「Q-ANPI」。Q-ANPIは、携帯電波の届かない場所でも衛星を経由して近親者などにメールを送るシステム。位置情報も同時に送信されるため、遭難救助などで活用できるとしている
準天頂衛星システムは7機体制を目標に、2016年度に2号機、2017年度に3、4号機を打ち上げ予定。数年間は4機体制で正式サービスを開始予定としている
スマートフォンで「みちびき」を補足できるデバイス
JAXAの展示。衛星の信号が届かない屋内でも測位できる「IMES」というシステムを解説している
IIJのブース。au回線が利用できる法人向けMVNOサービス「タイプK」を提供している。なおiOS端末は「mineo」と同じく利用できないという
IIJでは事業者にMVNOサービスを提供するMVNEサービスを展開している。地方ケーブルテレビ事業者に向けてMVNEサービスの提供を強化している
防災情報や安全情報を集配信する「IIJインフォメーションゲートウェイ」
「インフォメーションゲートウェイ」を利用した緊急地震速報の情報配信デモ
Bluetooth SIGのブース内に設置されたアプリックスのブース。Bluetooth連携できるトレーニングマシンを展示している
マシン下部にBluetoothモジュールを搭載しており、腹筋の回数をカウントする
カウントした数はスマートフォンに送られ、消費カロリーの計算や、データの外部送信が可能
トレーナーによる運動管理用途としても利用できるとしている。なお、アプリ画面はデモとなっており、トレーニングマシンの販売などは未定
BluetoothとWi-Fiを用いて遠隔地からBluetooth機器を制御できるソフトウェア。Wi-Fiでルーターに接続したスマートフォンから、Bluetoothで動くミニカーを操作している。既存のWi-Fiルーターやネットワークスイッチを、Bluetooth/Wi-Fiゲートウェイとして利用できる
Bluetooth SIGのブースのその他の展示。スピーカー内蔵のLED電球「PLAYBULB」
Bluetooth連携でバッテリー残量が把握できるモバイルバッテリー「POWER TUBE 3000」
ZigBeeのブース。ZigBeeの導入事例を紹介している
Wi-SUNのブース。NICTによるWi-SUNプロファイル共通化や、スマートメーター用無線通信規格「Uバスエア」を使用した東京ガスのメーターを展示している
IoTゲートウェイとして使えるマイクロサーバー「OpenBlocks IoT」。3G接続でき、Bluetooth/Wi-Fiで取得したセンサーデータをモバイルネットワークで送信できる。中ではLinuxが走っており、データを均した上で送信することもできる
リニアテクノロジーのブース。タイムマシーンが提供するクラウドベースセンサーモニターサービス「ACALA THERMO」を展示している
クラウドファンディングサービス「Makuake」で出資を募っているスマートフォン遠隔デバイス「KKP」
「Yahoo!カーナビ」に対応予定で、ハンドルから手を離さないままスマートフォンを操作できる
日本Androidの会のブース。スマートフォンを使用した3Dゴーグル「タオバイザー」
レンズを大きくして視野を広げた試作品
“メイドさんの吐息”を遠隔地に伝送して再現するデバイス。ストローを通して得られた“吐息”を曲げセンサーで取得し、ファンで再現する
スマートフォンでうちわを遠隔操作する「ソーシャルうちわ」。連携プレイが可能
これらのデバイスにはルネサス製のマイコンボードが使用されている

山川 晶之