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インターネットを見直す時期になった? 最新技術の集まるShowNetレポート
~Interop Tokyo 2014
(2014/6/12 09:30)
Interop Tokyoは展示会であると同時に、各社が最新のネットワーク機器を持ち込んで相互接続性や新技術をテストしデモする場でもある。この、国内最先端ともいえる会場の実験ネットワークが、ShowNetだ。
Interopでは毎回恒例の企画として、ShowNetの設備を見学する「ShowNetウォーキングツアー」を一日数回開催している。また、各ベンダーが主催するウォーキングツアーも開かれている。
ここでは、プレス向けに開催されたShowNetツアーの様子を紹介する。
ツアー前のブリーフィングによると、今年のShowNetには、ちょうど400名のエンジニアが参加。参加する企業や団体の数が77、提供機器やサービスの総額が約70億円、初披露製品数が10だという。
今年のShowNetのコンセプトは「Scratch and Re-build the Internet」。インターネットからの攻撃が深刻化する一方、テクノロジーとしてSDNなどが登場し、「これからインターネットがどうなっていくか、見直す時期に来ているのではないか。今のインターネットはあと10年耐えられるのだろうか」という意図だという。このテーマを3年かけて追求していくと語られた。
今年の注力テーマとして挙げられたのが「ネットワーク」「データセンター/クラウド」「セキュリティ」「ファシリティ」だ。
それらの中で、特に世界初や国内初の挑戦として、「ASを越えたSDNによるパス交換」「フル100Gファイアウォール/CGNの実装」「IPv6サンドボックスの実装」「国内最大級のVXLAN相互接続実証」「国内最大級のVXLAN商用クラウド事業者間接続」の5つが、記者向けに説明された。
まずASを越えたSDN。ShowNet内に「クラウドAS」と「キャリアAS」の2つのASを設け、ASを越えてSDNでネットワークを作る。さらに、KVMハイパーバイザー上の仮想アプライアンスによるNFV(ネットワーク機能の仮想化)を導入。希望出展者には、ネットワーク機能としてNAT、ファイアウォール、DPI(Deep Packet Inspection)をNFVにより提供する。これには16出展者が提供を受けているという。
続いて、フル100Gファイアウォール/CGN。去年まではルータやスイッチで100Gイーサネットを導入していたが、今年はファイアウォールやCGN(Carrier Grade NAT)でも100Gに対応するという。
また、IPv6サンドボックスは、ファイアウォールの内側でセキュリティを守るためのサンドボックスでIPv6に対応するものだ。
さらに、トンネリングでL2ネットワークのマルチテナントや延伸をする「VXLAN」の取り組みが2つ。1つは、マルチベンダー間でのVXLANの相互接続検証だ。もう1つが、クラウド間でのIPsec VPN上のVXLAN接続で、商用クラウドとしてはビットアイル、IDCフロンティア、さくらインターネットの3社との間で接続する。
NOCの外壁には、実際にネットワークを構成する機器のラックが並び、ラック横の注釈を読みながらさまざまな機器を見られるようになっている。なお、各ラックには通常のネットワークのほかに、別系統で管理ネットワークが通っている。
なお、NOCの外にはNOCメンバーにIP TV電話で直接質問できる「ASK NOC」コーナーも設置されている。NOCメンバーが手いっぱいでなければ、疑問に答えてもらえるかもしれない。