イベント
最新技術が“てんこ盛り”、Interop Tokyo 2015のShowNetをレポートする
セキュリティ、Wi-Fi、IoT、SDN/NFV、マルチクラウドのチャレンジ
(2015/6/15 08:00)
ネットワーク技術のイベント「Interop Tokyo 2015」の展示会が、6月10日~12日の間、幕張メッセで開催された。
初日の10日には、プレス向けに、会場のネットワーク「ShowNet」のブリーフィングと見学ツアーが開催された。
「セキュリティ」「Wi-Fi」「IoT」「SDN/NFV」「マルチクラウド」のチャレンジ
Interop Tokyoは展示会であると同時に、各社が最新のネットワーク機器を持ち込んで相互接続性や新技術をテストしデモする場でもある。この、国内最先端ともいえる会場の実験ネットワークが、ShowNetだ。「『I know it works because I saw it at Interop(これはInteropで動いていたから動くよ)』という言葉がShowNetのプライド」と関谷勇司氏(東京大学)は説明した。
昨年は「『今のインターネットはあと10年生き残れるのか』を3年がかりで解決する」というテーマを掲げ、今年はその2年目。今年のShowNetでは特に、便利さ(高機能)とシンプルさ、タフさのバランスを重視したという。
説明されたトピックは「セキュリティ」「Wi-Fi」「IoT」「SDN/NFV」「マルチクラウド」の5つ。
「セキュリティ」としては、DDoS攻撃の規模が400Gbpsに達するという調査結果を提示。ShowNetで実験する「最適分散配置」として、ISPでの対策としてBGP経路操作を、IXでの対策としてIXでのSDN技術を、自社網での対策としてBGP Flowspecによる操作の3つの組み合わせを挙げた。
また、対外接続ルータの全経路で経路情報をRPKIによる証明書で検証するRPI相互接続実証実験などもなされた。
「Wi-Fi」の今年のチャレンジとしては、あえて基地局を減らし、電波密度を疎にしたという。これは、会場やブースのアクセスポイントや、個人のモバイルルータ、ワイヤレスマイクなどで電波が混雑していることによる。それによって空いてしまった場所には、野球場などで使われている、指向性の強い電波を送るスタジアムアンテナでカバーする。さらに、電波状況をリアルタイムで監視する。
また、会場のアクセスコーナーでは、信号を送りながら途中で電波を発信する漏洩同軸ケーブルを使ったアクセスポイントも設置された。
「SDN/NFV」については、この2~3年実験してきた集大成として、今年は「真にスケールアウトできるアーキテクチャを目指した」という。そのために、サービスの識別子をパケットに埋め込み、VMを横に並べてスケールアウトする「ミルフィーユモデル」をとったと説明された。
「マルチクラウド」としては、ShowNet内のOpenStackや外部の商用クラウドを接続して、監視やスケーリングなどをするマルチクラウドオーケストレーションに挑戦。ネットワークの技術要素としては、VXLANやイーサネットVPN、OVSDBの相互接続性検証が紹介された。