イベント

小型ネットワーク装置にも集中管理による価値を~ぷらっとホームの「AirManage」

 ぷらっとホーム株式会社は6月6日に、小型ネットワークアプライアンス「EasyBlocks」を集中管理するソリューション「AirManage」を発表した。

 標準的な機能は網羅しながらも、小型で安価なネットワークアプライアンスとして採用が増えているEasyBlocksだが、AirManageを投入する背景は何か。Interop Tokyo 2014の展示会場で、同社の鈴木友康社長に話を聞いた。

Interop Tokyo 2014のぷらっとホームブース
鈴木友康社長

台数に比例してアプライアンスの管理は煩雑になる

ぷらっとホームブースのAirManageコーナー
AirManageでは、リモート管理サーバーを構築して対象となるアプライアンス群を統合管理する。現状では、クラウドサービスとしての提供は考えていないというが、パートナーが今後、サービスとして提供する可能性はあるとのことだ

 EasyBlocksは、従来は汎用のx86サーバーや高価なアプライアンスを利用することが多かったネットワーク機能を、必要な機能に絞ることで、簡単かつ安価に導入できるようにしたアプライアンスサーバーだ。ハードウェアには、ぷらっとホームの堅牢設計のマイクロLinuxサーバー「OpenBlocks」を採用し、高い信頼性を持つほか、Webインターフェイスによる容易な管理性を備えている。

 では、なぜ統合管理製品が必要だったのか。それは、1台1台では容易に管理できたとしても、「導入台数に比例して、管理の負荷やコストが飛躍的に高くなるから」(鈴木社長)だという。

 クラウド時代を迎えて、日々の業務がネットワーク環境の存在を前提として行われるようになると、DNSやDHCPなどの機能を提供するネットワークアプライアンスへのニーズは急増。EasyBlocksは、業種・業態を問わずさまざまな環境で広く利用されるようになった。小規模な事業所での採用も増えており、1企業で数十台規模のアプライアンスを設置するケースも珍しくない。

 しかし、すべての拠点にネットワークに詳しい担当者がいるということは通常はなく、本社のネットワーク担当者が出向いて設置したり、SIerのネットワークサポートサービスを利用していたりするケースがほとんどだろう。拠点が近くにあればまだいいが、遠隔地に多数の拠点が存在する場合、移動にかかるコストや時間が膨大になってしまうし、近かったとしても、これを数十回返すことの負荷は相当なものになる。

 では、AirManageがあればどう変わるのか。まず、「ゼロ・コンフィグレーション」機能により、EasyBlocks自体が、アップデートサーバーから自分の環境設定ファイルをダウンロードして必要設定情報を起動できるようになる。これによって、いちいち現地まで行かなくとも、ネットワークと電源をつなぐだけで必要な設定を行えるようになるのだ。これは、故障時に代替機と交換する場合も同様という。

 また日々の運用時にパッチ適用やアップデートが必要になった際には、各種ソフトウェア更新情報を管理サーバーから取得し、更新があれば自動的にダウンロードさせることが可能。アプライアンスへの適用タイミングについては管理者が指示できるため、ダウンロード後に即時適用することも、夜間など業務時間外に適用することも可能だ。

 鈴木社長は、こうしたメリットについて「(ネットワークアプライアンスの構築などを行う)ネットワークエンジニアには高いスキルが要求されるため、エンジニアのコストは高くなる。導入や保守のためにそうした人材を確保しておく必要があると、費用面での負担が大きくなるが、AirManageを利用すれば、中央にいる1人のエンジニアが集中的に管理作業を行えばいいため、費用やリソースを効率化できる」と説明する。

管理対象となるアプライアンス「EasyBlocks」のうち、単機能モデル

テナントごとの管理でサービス化にも対応

 またAirManageでは、複数のEasyBlocksをグループ化し、グループごとに一括管理する「テナント・マネジメント」機能も備えている。これによって、全体を一括して管理するのではなく、経理部や営業部、A事業所とB事業所といったように、部門や拠点ごとにポリシーを分けた管理が可能になった。

 このようなテナント管理の機能は、利用規模が大きくなれば一般企業・団体でも効果的だが、特にSIerやNIerにとって意味の大きな機能だという。クラウド時代を迎えたことで、ネットワークの専門技術者を持たない企業でもネットワーク機能の導入は必須になっており、そうした際にアプライアンスの管理をSIerなどへ委託することは特段珍しいことではない。SIerは、そうしたサポートサービスを提供する場合に、顧客ごとにいちいち管理サーバーを構築しなくとも分割して管理できるため、効率の良いサービスを提供できるようになる。

 鈴木社長は「EasyBlocksは、学校や官公庁でも採用事例が増えており、例えば山間部の学校でEasyBlocksを利用する場合などに、いちいち現場に出向いて保守・設定作業などを行っていたのでは、非常に手間がかかってしまう。AirManageであれば、こうした課題を一挙に解決できる」と、その価値をアピール。サポートコストが減れば、SIerにとっては利益率の向上が期待できるし、顧客側でもサービス価格の値下げやサポートレベルの向上といったメリットが得られる可能性があるとした。

 なお鈴木社長によれば、こうした点が評価され、SIerをはじめとする顧客からすでに多くの引き合いがあるとのこと。中には、1000台を超える規模での商談も複数あるそうで、今回の管理機能の強化によって、今後もEasyBlocksの導入が進んでいきそうだ。

石井 一志