【Interop 2012】PoE受電のシンクライアント、100Gbps対応負荷装置、最新UPSなど注目製品を一挙紹介


  15日まで開催されていたネットワーク技術に関するイベント「Interop Tokyo 2012」の展示会では、ネットワーク機器をはじめさまざまな分野の200以上のブースが出展した。

 

1スロット2ポートに高密度化した100Gbps負荷装置

 イクシアコミュニケーションズ(イクシア)のブースでは、ネットワークにワイヤレートで100Gbpsの負荷をかけて性能を計測するトラフィックジェネレータ「Xcellon-Lava 40/100GbE Load Module」を展示していた。従来製品では100GbEの1ポートに対して同社シャーシの2スロットを占有していたが、この製品では1スロットで2ポートと高密度化した。なお、Xcellon-Lava 40/100GbE Load Moduleは、Best of Show Awardの「マネジメント モニタリング&テスティング」部門でグランプリを受賞した。

 イクシアのブースではそのほか、プロトコルエミュレーションによりOpenFlowのテストに対応する「OpenFlow Test Solution」や、Wi-Fiのテストソリューション、Wireless/LTEテストソリューションなどを展示していた。

 なお、ほかのいくつかのブースの展示でも、性能デモの中でイクシアの製品が稼働していた。

ネットワークにワイヤレートで100Gbpsの負荷をかけるイクシアのトラフィックジェネレータ「Xcellon-Lava 40/100GbE Load Module」。従来製品(写真中、シャーシの左端)が1ポートに2スロット占有していたのに対し、この製品(写真中央のスロット)では1スロットで2ポートと高密度化したOpenFlow Test Solutionの展示
IxVeriWave Wi-Fiの8022.11ac対応モジュールLTEのテストに対応するIxLoad Wireless/LTE Test Solution

 

PoE給電のシンクライアント

 HPのブースでは、展示の1つとして、Ethernetケーブルからの電源供給(PoE給電)を受けられるオールインワンタイプのシンクライアント「HP t410 All-in-One Smart Zero Client」をデモしていた。消費電力を13Wまで大幅に低減したことによりPoE給電に対応した。国内では会期中の15日に発表された製品であり、Best of Show Award 2012の「クラウドコンピューティング&バーチャリゼーション」部門で特別賞を受賞した。

Ethernetケーブルからの電源供給を受けられるシンクライアント「HP t410 All-in-One Smart Zero Client」ラックのPCブレードに接続して利用する

 

国際間で高速にデータを転送する「クラウド コネクト」

 データホテルは「クラウドサービス/データセンターゾーン」で、Skeedと共同開発した高速データ転送サービス「データホテル クラウド コネクト」を実演していた。12日に発表されたもので、UDPベースの高速通信プロトコル「SkeedSilverBullet Protocol」で世界6カ国10カ所を結び、国際間のデータ転送を高速化する。会場では、実際に日本から米国バージニア州とアイルランドのダブリンに、クラウド コネクトとFTPとでファイルを転送して、9倍台の数値を出していた。

国際間で高速にデータを転送するサービス「データホテル クラウド コネクト」を実演。写真左の画面中で、青の線がクラウド コネクトでの転送状況、黄色の線がFTPでの転送状況

 

マイクロ波通信システムに水をかけながら展示

 NECのブースでは、60GHz帯の屋外向け超小型マイクロ波通信システム「iPASOLINK SX」と、屋外向けマルチレイヤスイッチ「iPASOLINK GX」を展示。防水・防塵や温度への耐久性などを示すために、ケースの中で水をかけてみせていた。60GHz帯は免許が不要なため、一般企業のビル間通信や、災害時のバックアップ回線などに応用できるという。Best of Show Award 2012の「キャリア/SP/エンタープライズ向け ネットワーキング」部門で特別賞を受賞した。

NECの屋外向け超小型マイクロ波通信システム「iPASOLINK SX」「iPASOLINK GX」に、水をかけながら展示

 

3Gモバイル接続をWi-Fiにオフロードさせるゲートウェイ

 ラッカスワイヤレスジャパンのブースでは、キャリア規模のワイヤレスコントローラ「SmartCell Gateway 200」を展示していた。3Gモバイルキャリアのネットワークに接続してモバイル端末にWi-Fi接続を提供することで、3Gモバイル接続をWi-Fiにオフロードさせるゲートウェイ装置。1万台のアクセスポイントと10万台の端末に対応。対応端末であれば、3Gのハンドオーバーと同様に、3GとWi-Fiをシームレスにハンドオーバーできるという。Best of Show Awardの「ワイヤレス」部門でグランプリを受賞した。

3Gモバイル接続をWi-Fiにオフロードさせるゲートウェイ装置「SmartCell Gateway 200」

 

ICタグでサーバーを管理するラック

 ラリタンは、ラックに設置されたサーバーの場所を管理する「インテリジェントアセット管理ツール AMT/AMS」を展示していた。サーバーなどの機器に対応するICタグを、ラック脇に設置したバーに磁石で付けることにより、その機器がどのラックのどの位置にマウントされているかを管理する。機器修理のときなどは、管理情報にもとづき、バーのLEDで場所を示す。Best of Show Award 2012の「データセンタ&ストレージ」部門で特別賞を受賞した。

ラックに設置されたサーバーの場所を管理するラリタンの「インテリジェントアセット管理ツール AMT/AMS」
機器に対応するICタグを、ラック脇に設置したバーに磁石で付けて、場所を管理するICタグにもとづく機器の管理情報

 

液晶が付きバッテリーの寿命が延びた次世代型Smart-UPS

 シュナイダーエレクトリック(APC)は、同社のUPS「Smart-UPS」シリーズの次世代型製品などを展示していた。次世代型Smart-UPSは、正面に液晶を設け、電力状況やバッテリーの交換、設定などを表示できるようになった。また、バッテリー管理能力の向上により、バッテリーの寿命が従来製品の2.5年から4.5年に延びたという。そのほか、UPS単体で機器の電源オンのタイミングに時間差を設け順番に電源投入できるようにもなった。Best of Show Award 2012の「データセンタ&ストレージ」部門で特別賞を受賞した。

次世代型Smart-UPSシリーズ。液晶を備え、バッテリー寿命も延びた。

 

Wi-Fi通信に太陽光発電パネルと蓄電池が一体化した装置

 ベンチャーパビリオン内のネクステックのブースでは、Wi-Fi通信に太陽光発電パネルと蓄電池が一体化した装置を試作展示していた。Wi-Fiのアクセスポイントや中継器の機能を持ち、電源がない場所でもWi-Fiを提供できるようにするという。Best of Show Award 2012の「ベンチャー」部門で特別賞を受賞した。

Wi-Fi通信に太陽光発電パネルと蓄電池が一体化した装置(ネクステック)
関連情報
(高橋 正和)
2012/6/18 06:00