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富士通、自律して学習し続ける「自己進化マルチAIエージェント」技術を開発
2026年5月26日 13:18
富士通株式会社は25日、複数のAIエージェントがチームとして業務を遂行し、日々の実行結果、人によるフィードバック、制度改定、仕様変更などのさまざまな変化から継続的かつ安全に自律して学習する「自己進化マルチAIエージェント」技術を開発したと発表した。
今回開発されたのは、業務実行の結果や人のフィードバック、制度改定や仕様変更などの変化を取り込みながら、継続的かつ安全に進化するマルチAIエージェント技術。各AIエージェントは、業務実行結果や評価結果を基に改善案を生成し、それを検証した上で有効なものだけを反映する仕組みとなっており、モデル性能を継続的に向上できる。これにより、従来は専門家が継続的に行ってきた作業を代替し、業務運用の中でAIが自律的に進化し続ける仕組みを実現しているとのこと。
富士通は今回、製造、医療、金融、行政などの複数領域に向けて、同社の生成AIである「Takane」を自動的に強化し、運用を通じて継続的に改善したところ、業務特化前と比較して平均28ポイントの大幅な精度向上を確認したという。また、高度化したAIは、汎用AIモデルと比較しても高い精度を示しており、各業務に最適化されたAIの有効性が確認されたとした。
例えば医療分野では、診療記録や検査結果といった非構造データから診断名、進行度、治療方針などを一貫した形式で抽出するタスクにこの技術を適用することで、業務に即した情報抽出・構造化が可能となった。これは、単に回答精度が向上するだけでなく、従来は専門知識に基づく設計や調整が必要であった業務特化型LLMの構築・改善プロセスをマルチAIエージェントが代替し、運用の中で継続的に最適化できることを示しているとのことだ。
一方、大中規模病院向け電子カルテシステム「HOPE LifeMark-HX」および地方公共団体向け業務ソリューション「MICJET住民記録」の設計仕様書群を対象とするAIエージェント型文書検索にこの技術を適用した。
法改正や制度改定に伴うソフトウェア改修の影響範囲を特定するためには、従来、制度や業務に関する知識と、システム構造への深い理解を持つ熟練者に頼る必要があったが、この技術を適用した結果、AIエージェントが過去の検索結果や失敗事例、人の修正内容を学習し、探索範囲の拡張や関連文書の抽出戦略を自律的に改善するようになった。
これにより、従来は専門家が試行錯誤を繰り返して構築していた検索ロジックの設計・改善プロセスが自動化され、学習・改善にかかる工数を削減するとともに、精度向上の効果も確認されたという。
富士通は、この事象について、AIエージェントが単に検索を繰り返したのではなく、業務を通じて関連する周辺文書まで確認し、一見対象外と見られる文書でも、同じ業務領域であれば候補から外さないといった熟練者の探索のコツをつかみ、次の業務に活用できたことを示していると指摘。今後、これらの知見と技術を自社のAI-Driven Software Development Platformに適用し、設計・開発プロセス全体の高度化と効率化へ展開していくとしている。

