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GitHub Universe 2025:あらゆるAIエージェントを統合する基盤「Agent HQ」を発表

 GitHubは、米国サンフランシスコで開催中の年次イベント「GitHub Universe 2025」の基調講演において、ソフトウェア開発をAIで支援する新機能を発表した。

 中心となる「Agent HQ」のビジョンのもと、各社のコーディングエージェントとのパートナーシップや、その第1弾となるGitHubの機能「mission control」をはじめ、いくつかの新機能が発表された。

GitHub Universe 2025
GitHub COOのKyle Daigle氏

さまざまなコーディングエージェントをGitHubに統合する「Agent HQ」ビジョン

 「Agent HQ」は、OpenAIのCodexやAnthropicのClaude Codeなどのあらゆるコーディングエージェントを、単一のプラットフォームに統合するものだ。GitHub上の開発ワークフローの中にさまざまなエージェントをシームレスに統合し、名前のとおり“エージェント本部(headquarters)”となる。

 さらに、AnthropicやOpenAI、Google、Cognition、XAIなどのコーディングエージェントの費用も、GitHub Copilotの有料サブスクリプションに統合される予定だ。

 Agent HQのパートナーとなるすべてのコーディングエージェントは、今年中に利用可能となる予定で、詳細は近日中に発表されると、GitHub COOのKyle Daigle氏は語った。

 基調講演には、AnthropicのChief Product Officer(CPO)であるMike Krieger氏と、OpenAIのCodex Product Lead、Alexander Embiricos氏もそれぞれ登壇。AnthropicのKrieger氏はGitHubのプルリクエストなど、開発ワークフローへのClaudeの統合を、OpenAIのEmbiricos氏はVS CodeとCodexとの統合をデモした。

Agent HQの発表
パートナーとなるコーディングエージェントは今年中に利用可能になる予定
コーディングエージェントの詳細は近日中に発表
AnthropicのChief Product Officer、Mike Krieger氏
GitHubのプルリクエストにClaudeが組み込まれたデモ
OpenAIのCodex Product Lead、Alexander Embiricos氏
VS CodeとCodexとの統合のデモ

Agent HQを実現する第1弾「mission control」

 Agent HQを実現する第1弾として発表された「mission control」は、GitHubの新機能だ。

 主な機能としては、エージェントが作成したコードのテストなどをいつ実行するかの「ブランチコントロール」、エージェントからのアクセスやポリシーを管理する「アイデンティティ機能」、マージでの競合をワンクリックで解説できる機能、SlackやLinearとの統合などが挙げられている。

 また、Copilotのアクティビティを一目で把握できる変更や、動作中のCopilotを操作できる機能、タスク管理の一元化なども行われているとのこと。

 そして、GitHubのWebや、端末から使うコーディングエージェント「GitHub Copilot CLI」、VS CodeなどのIDE、GitHubのモバイルアプリの「GitHub Mobile」など、さまざまなところからエージェントを実行し管理できるようになる。

 VS Code+GitHub Copilotではそのほか、GitHubのリポジトリにエージェントの設定ファイルを置いて固有のニーズを反映できる「カスタムエージェント」や、カスタムエージェントのためのMCPのツール、エージェントセッションの監視やレビューのパネルなども紹介された。

mission controlの発表
mission controlの主な機能
GitHub Copilot CLI、GitHub Mobileなどさまざまなところからエージェントを実行し管理できる
SlackのGitHubへの統合

Visual Studio Code+GitHub Copilotで、エージェントにまず計画を作らせる「Plan mode」

 基調講演の中で、Visual Studio Code+GitHub Copilotの最新機能として「Plan mode」が紹介された。

 Plan modeは、コーディングエージェントがコーディングなどを実行する際に、まず計画を作って表示させ、人間が承認や変更指示を与えてから実際に実行するという機能だ。Claude Codeなどいくつかのコーディングエージェントでは、すでに採用されている。

Visual Studio Code+GitHub Copilotの「Plan mode」
Plan modeのデモ

AIによるコードレビューツール「Copilot Code Review」次世代バージョン

 AIによるコードレビューツール「Copilot Code Review」についても次世代バージョンがパブリックプレビューとしてリリースされた。

 エージェントがコンテキストを積極的に収集することで対象プロジェクトに適切なレビューを行える。また、CodeQLやリンター(文法チェックツール)といった決定論的ツールと組み合わせることで、よりスマートなレビューを実現する。

Copilot Code Review
Copilot Code Reviewの新しいエージェント機能
エージェントとツールを組み合わせて検出(個別セッションより)

組織内でのコードに関するガバナンスの新機能3つ

 組織内でのコードに関するガバナンスについては、GitHub Enterprise利用組織向けに3つがパブリックプレビューとして発表された。

 「GitHub Code Quality」は、プルリクエストから信頼性と保守性への影響を自動的に調べ、GitHub Copilotにより修正する。

 「Copilot usage metrics dashboard」は、組織内でGitHub Copilotをどのように使用しているかを可視化する。

 「Enterprise AI controls & the agent control plane」は、組織がエージェントの動作を細かく制御するためのコントロールプレーン機能だ。

GitHub Code Quality
Copilot usage metrics dashboard
Enterprise AI controls & the agent control plane