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データドリブンアナリティクスのカギはデータ統合とSQL (データドリブンのアプローチは“Ready, Aim, Fire!”)
「Teradata 2014 PARTNERS」基調講演レポート
(2014/10/22 10:45)
データドリブンのアプローチは“Ready, Aim, Fire!”
データドリブンをキーワードに掲げた今回のPARTNERS 14には、世界50カ国以上から約4000名が参加している。もちろん過去最大規模のPARTNERSとなったわけだが、注目すべきはマーケティング関係者の参加人数がテクノロジ関係者を上回ったことだ。
今回はアプライアンスや次期バージョンの「Teradata 15.10」が未発表だったということもあるが、それでも非テクノロジユーザーがアナリティクスのニーズに迫られているというのはグローバルで共通のトレンドだと見ていいだろう。
いままで見えなかった可能性をデータドリブンによって見つけ出し、次のビジネスのアクションを引き起こす。データドリブンアナリティクスにおいては、データはトリガとして位置づけられる。ユーザーにアナリティクスの結果にもとづくアクションを取らせることができて、初めてデータドリブンアナリティクスは意味をもつ。
ではデータドリブンアナリティクスに取り掛かるためには何が必要なのか。ナウ氏は「Teradata Unified Architectureに代表されるような統合されたデータ基盤、そしてアーチェリーのように“Ready, Aim, Fire(構え、狙え、撃て)”のアプローチでアナリティクスに臨むこと」だと説明する。
「多くの企業はデータに対して短絡的すぎる。特にデータを獲得したら、すぐに分析結果を得ようとするのはあまりよくない。“Aim”のステップを飛ばして“Ready→Fire”とやろうとしても、長い目で見ればデータドリブンアナリティクスは成功しにくい」とナウ氏。そしてこの3つのステップに沿ったソリューションを提供していくことがTeradataの役割だとしている。
「特にここ数年は、オープンソース系も含め、データソースの種類が激増している。だがそれらが統合されていない状態、野生の動物が野放しになっている動物園のようなカオスな状態では“Ready, Aim, Fire”のアプローチを取ることができない」(ナウ氏)。
オープニングキーノート、そしていくつかのセッションを取材した限り、Teradataはクラウドやインメモリへの対応は、他の競合ベンダのようにそれほど積極的ではないように思えた。特にクラウドに関しては、マーケティングクラウドの強化はうたっているものの、Teradataポートフォリオの中心となるには少なくとも数年以上先のようだ。
コーラーCEOはグループインタビューの席上で「クラウドは、われわれの顧客からそれほど強いニーズを受けていない」と語っており、当面は部分的なソリューションでの対応にとどまると見られる。インメモリに関しても同様の姿勢だ。
フラグシップ製品であるTeradata Databaseとそのアプライアンス、SQLユーザーのMapReduce処理を軽減するTeradata Aster、そして今回発表されたQueryGridとLoom、こうして見てみるとTeradataのプロダクトは、あらゆるデータをSQLで扱うことを常にベースにしている。
それもサイロではなく、統合された環境にデータを置くことが大前提だ。以前、同社CTOのスティーブン・ブロブスト(Stephen Brobst)氏に話を伺ったとき、「非構造化データなどというものはない。あらゆるデータは構造化できる」と強調していたが、そうであるならば、データドリブンアナリティクスの成功もデータがSQLで扱えることがカギになる。クラウドよりも、インメモリよりも、フォーカスすべきは統合化された基盤とSQL - それはTeradataの原点でもあり、データドリブンにおいても変わらないアプローチのようだ。