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Go Build――、ヴァーナー・ボーガスCTOが「AWS re:Invent 2017」で21世紀の開発者に伝えたメッセージ
2017年12月19日 06:00
あなたが書くコードはビジネスロジックのみとなる
- あなたが書くコードはビジネスロジックのみとなる(All the code you ever write is business logic.)――、サーバレス関連アップデート
AWSのマネージドサービスがどのくらい開発の世界に変化をもたらしてきたかは、あらためてここで語るまでもないが、ここ5年でのもっとも大きな衝撃のひとつとしては、やはりサーバーレスという新しいコンセプトを一般化させたAWS Lambdaを挙げざるを得ないだろう。
ボーガスCTOはここで「開発者はもうすぐ、ビジネスロジックだけに集中すればよくなる」と語り、その理由としてLambdaなどのマネージドサービスがさらに便利に使いやすくなるからだと明言する。
その言葉を裏付けるかのように、ボーガスCTOは以下の新アップデートを発表している。
・外部の開発者や企業が公開するサーバーレスアプリケーションやコンポーネントの検出や、自社のサーバーレスアプリケーションのデプロイや公開を容易にする「AWS Serverless Application Repository」のプレビュー版提供
・Lambdaの最大メモリが1.5GBから3GBへ
・Lambdaファンクションの同時実行を有効にし、ファンクション単位で接続数を制限することで、DoS攻撃からサービスを保護する「AWS Lambda Per Function Concurrency / Throttle Controls」
・API GatewayのプライベートVPC対応(GA)
・新たな言語として.NetCore 2.0とGoをサポート(プレビュー)
ここでもっとも注目されるのは、AWS Serverless Application Repositoryだろう。公開されているものであれば、サーバーレスアプリケーションやコンポーネントを自由に使うことも、また自分で作成したサーバーレスアプリケーションをマーケットプレイスで販売することもできる。チーム間でのファンクションの共有も容易だ。
また地味なアップデートではあるが、最大メモリが3GBになったことで、より“長時間使えるLambda”へと進化したことになる。
いかにも顧客からのフィードバックを受けての進化といえる、今回のLambdaアップデートを見ると、開発者が書くべきコードがビジネスロジックのみになるというボーガスCTOの予言も、あながち遠い未来ではないのかもしれない。
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ボーガス氏はre:Inventのキーノートにおいて、よく歴史上の人物の言葉を引用する。
今回のre:Inventの最後には、自身と同じオランダ人であり、近代コンピュータの発展に貢献したエドガー・ダイクストラの言葉をもじり、会場にいる開発者に向けて「もし今から10年後、あなたがAWSのかわりに何か断片的なモノ(サービスやツール)を使おうとしたら、あなたはきっと、突然肩越しにあらわれた私を見ることなるだろう。そして“ヴァーナーはきっとこういうモノは好きじゃなかったろうな”と思い直すことになる。それは私にとって不朽の名声と呼ぶに十分だ」と語っている。
最初のre:Inventから5年が経過し、数多くのクラウドベンダーが世にあらわれ、開発者の環境も大きく変わった。だが、AWSを超える規模のクラウドコミュニティやエコシステムはまだ存在しない。
そしてボーガスCTOの中ではおそらく、10年後もごく自然にAWSがトップでいる様子がイメージできるのだろう。クラウドを世界に広げた第一人者であり、いまも開発者にとってのビジョナリーであり続けられる人物だからこそいえる言葉だ。
そのボーガス氏が2017年のre:Inventで開発者に最後に伝えた言葉は、ごくシンプルだった。「Go Build」、書き続けよ、作り続けよ――。
いつの時代であっても、何がはやろうとも、それが開発者のやるべき究極の仕事なのだろう。