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Go Build――、ヴァーナー・ボーガスCTOが「AWS re:Invent 2017」で21世紀の開発者に伝えたメッセージ

ついにベールを脱いだ「AWS Cloud9」

  • 偉大なプラットフォームは開発環境もまた偉大である(Every great platform has a great IDE.)――、ついにベールを脱いだ「AWS Cloud9」

 AWSは2016年9月、オンラインの開発環境として人気のあったCloud9を買収し、いよいよ本格的なクラウドベースのIDEの提供に踏み切ると思われた。しかし2016年のre:Inventでは発表はなく、その後もCloud9に関しては何のアナウンスも行われてこなかった。

 もともと、Cloud9の買収に関してもAWSはほとんど公式にコメントしてこなかった経緯もあり、それだけに今回、ボーガスCTOがマネージドクラウドIDE「AWS Cloud9」として正式リリースを発表したニュースは、うれしい誤算だった開発者も多いのではないだろうか。

 現時点での対応リージョンはバージニア、オレゴン、シンガポール、オハイオ、アイルランドだが、徐々に拡大される予定だ。

沈黙を破って登場した「AWS Cloud9」のリリースに会場からは歓声と拍手も

 もっとも買収のニュースから時間がたっているだけあり、AWS Cloud9はただのオンラインコーディング環境ではない。Cloud9ユーザーには専用のEC2環境が提供され、ブラウザのみでのコーディングやデバッグが可能であるのはもちろんだが、AWSとのダイレクトなターミナルアクセスが実現しており、特にLambdaファンクションを駆使したサーバーレスアプリケーション開発が、非常に容易に行える点が注目される。

 また、リアルタイムなペアプログラミング/レビューも可能となっており、AWS CodeDeployやAWS CodeBuildといったほかのツールとも統合できる。

 ボーガスCTOは、2016年のre:Inventで数多くのDevOpsツールを発表したが、いま振り返ってみれば、1年をかけてCloud9を“偉大な開発環境”へと進化させる道筋を整えてきたといえる。

会場で行われたAWS Cloud9のデモ。ブラウザのみとは思えないほどリッチな機能を備えたIDEへと進化した