週刊海外テックWatch

あなたが死んでもSNSは動き続ける Metaの「故人シミュレーション」特許が示す未来

「ゴーストワーカー」への懸念

 Metaは、特許の製品化を進める予定はないと説明したが、将来にわたって製品化しないと約束したわけではない。

 Tom's Guideは、Metaの主張を信じるとした上で、「しかし、特許は資産だ」とも述べている。「企業が技術やその法的権利を確保するために数百万ドルを費やすのは、引き出しにしまっておくためではない。一般大衆が十分に感覚を鈍らせて受け入れるようになるまでの“領土の確保”なのだ」と解説する。

 実際、故人の人格をデジタルで保存してコミュニケーションできるようにするビジネスは今後、急成長すると予測されている。

 ロンドンに本拠を置く市場調査会社The Business Research Companyの2026年版のレポートによると、その市場規模は2025年の312億4000万ドルから、2030年には609億9000万ドルと年平均(CAGR)14.2%で拡大する見込みだという。仮想エージェントの拡大に加え、ホログラム、脳・コンピューター・インターフェースのような技術が動員されるとしている。

 こんな時代に入って、SNSの巨人は特許をどのように利用するのか。懸念する声も出てくる。

 Tom's Guideは、Metaが再現した故人のボットをサービスの強化に利用するかもしれないと危惧している。このように述べている。「彼らは“ゴーストワーカー”を作り出し、あなたの友人や家族が広告を見続け、クリックし続けるように仕向けるかもしれない」