週刊海外テックWatch
あなたが死んでもSNSは動き続ける Metaの「故人シミュレーション」特許が示す未来
2026年2月24日 11:19
デジタル不死の潮流
デジタル技術で故人と対話するというアイデアは、新しいものではない。
2022年6月には、87歳で死去したホロコースト(大量虐殺)の証言者が質問に答えるという葬儀が行われて話題となった。BBCが伝えている。生前に録画した映像から質問に合ったものを瞬時にデータベースから呼び出す仕組みで、スタートアップのStoryFileの技術によるものだ。
ほかにも、スマホアプリで故人と対話できる「HereAfter AI」、残されたテキストを元に故人のペルソナを再現する「You, Only Virtual(旧Project December)」、AIフレンド会話アプリだが故人の再現に多用されたReplikaなど、既に多くのサービスがある。
そしてSNSには、ユーザーの生前の記録が残っている。Metaがその活用を考えないはずはない。
しかし、故人を模倣したボットを作成することには抵抗も大きい。2020年には、Microsoftが取得した特許が「愛する故人をチャットボットとして復活させる」などと報じられて炎上。当時のAI担当ゼネラルマネジャーが「製品化することはない」と約束することで、ようやく落ち着いた。
SNS上で亡くなった人をどう扱うかについて、その黎明期から議論されてきたが、まだ整理はついていない。故人や遺族のプライバシー、肖像権・パブリシティ権、遺族への影響など多くの課題がある。
今回、Metaの広報担当者も、Business Insiderの取材に対して「特許出願は概念開示のためであり、取得が必ずしも技術の実用化を意味しない」と回答している。