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NTTグループと大成建設、IOWN APN・ローカル5G・60GHz帯無線LANを活用して複数の重機を遠隔操作・自動制御する実証に成功
2026年4月14日 13:05
NTT株式会社、NTT東日本株式会社、大成建設株式会社の3社は10日、施工のオートメーション化のさらなる高度化を目的に、IOWN APN(All-Photonics Connect)とローカル5Gおよび60GHz帯無線LAN(WiGig)を活用した環境を構築し、大成建設の接続切り替えシステムにより、離れた拠点から複数重機を1台の操作卓で遠隔操作および自動制御する実証に成功したと発表した。これにより、複数重機が稼働する実際の工事現場での導入を推進できるようになり、さらなる生産性向上が期待され、技能者不足への対応が可能になるとしている。
3社は背景として、昨今の建設業界は、技能者不足や長時間労働などが深刻化しており、
自動施工、遠隔施工、および施工データの活用による施工のオートメーション化が推進されているが、重機の遠隔操作・自動制御を高度化していく際には、低遅延・低ジッター通信によるリアルタイムな操作性や遠近感の把握が求められると説明する。工事現場内を移動する重機は、ラストワンマイルの無線接続を必要とするが、自動制御の重機やロボットが広い現場全体で安定稼働するためには、複数アングルからの高精細な映像を伝送するための帯域を広域でカバーするなど、無線環境の構築も課題となるとしている。
実証実験では、2026年2月2日~27日の期間において、遠隔操作・自動制御システムと接続切り替えシステムを設置した遠隔操作拠点と、3台の重機を配置した実証現場の2拠点間をIOWN APNで接続した。さらに実証現場の無線環境は、300m程度の広域を大容量通信でカバーする自動制御用の無線ネットワークをローカル5Gで構築し、複数のカメラ映像や制御信号の低ジッター伝送を行う遠隔操作用の無線ネットワークをWiGigで構築した。
この環境において、油圧ショベルでの土砂の掘削・積み込み、クローラー型ダンプトラックでの運搬、ブルドーザーでの敷きならしという一連の工程を、全て遠隔操作および自動制御で実施できることを実証した。また、重機の長距離移動においても、安定的に遠隔操作できることを実証した。
低遅延・遅延のゆらぎがない特徴を持つIOWN APNと、大成建設の接続切り替えシステムを活用し、通常は3人で実施する複数重機での作業を、1人で遠隔操作・自動制御できることを確認した。オペレーターの遠隔操作をサポートするMC(マシンコントロール)およびMG(マシンガイダンス)機能についても、従来の同一敷地内での利用と同等の精度で利用できることを実証した。
また、MC/MGに使用する設計データの作成では、ドローン空撮で取得した大容量の現況地盤データの授受にIOWN APNを活用して伝送時間を従来の約8分の1に短縮し、オフィスでの三次元設計データの作成から現場反映までを効率化でき、生産性向上につながることを確認した。
300m程度の実証現場全体を大容量の無線ネットワークでカバーする環境をローカル5Gで実現し、GNSS信号に基づく重機の位置情報を遠隔拠点に伝送しながら、現場全体で通信が途切れることなく重機の制御ができることを確認した。
特定エリアにおける重機の遠隔操作では、カメラ映像や制御信号の低遅延・低ジッター伝送を実現する無線ネットワークとして、NTTアクセスサービスシステム研究所のサイトダイバーシティ技術が搭載されたWiGig機器を活用することにより、有線区間を含めたネットワーク区間のエンドツーエンドで遅延数msec程度、ジッター数十μsec程度を確保して、従来よりもリアルタイムな映像伝送を行いながら、重機の移動や旋回を実現できることを確認した。また、WiGigでLAN区間を代替することで、詰め所と現場の無線ネットワーク構築は、従来は終日を要する作業であったが、約1時間で効率的に完了できることも確認した。
今回の実証の成果を踏まえ、2026年度に大型造成工事などの現場での実証を予定しており、2027年度には大成建設が戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期で取り組んでいるダムの堆砂対策における遠隔操作・自動制御への適用を目指している。現場導入に関する共同検討を進め、施工のオートメーション化の普及、および人材不足などの課題解決に貢献していくとしている。
