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Blu-rayのB2B市場展開は成功するか? パナソニックがアーカイブ用途に提案する狙い (最大108TBの容量を実現するデータアーカイバーを製品化)

最大108TBの容量を実現するデータアーカイバーを製品化

 パナソニックは、2013年7月、Blu-rayディスクを使用した光ディスクライブラリ「LB-DM9シリーズ」を発売した。

 これがデータアーカイバー製品の第1号となる。

光ディスクライブラリ「LB-DM9シリーズ」。447mm×260mm×1040mmのサイズ

 LB-DM9シリーズは、12枚のBlu-rayディスクをマガジンのなかにすき間なく積層することで、20.8mmの薄型ながら、マガジン1本あたり1.2TBの大容量を実現した。また密閉構造ケースを採用することで、ディスク面をホコリや指紋、傷などから保護。使い勝手とともに、保管時の堅牢性を実現したという。マガジンにはRFIDタグを内蔵。管理性を高めているのも特徴だ。

 このマガジンを最大90本格納するマガジンスタックを用意。最大108TBのデータ記憶容量を実現している。

 装置前面のマガジンドロワーからマガジンを取り出して、外部の保管庫に省スペースで保管することも可能だという。

データアーカイバーマガジンの大きさは129.5mm×20.8mm×131.3mm。重さは約300g
BD-R XL 100GBを12枚収納している

 さらに、ストレージ管理ソフト「データアーカイバーマネージャー」を用いることで、本体内で読み取ったバーコードラベル情報を保存情報と関連付けできるので、装置から取り出した後の管理や検索も容易にできる。

 また、マガジンに収納したBlu-rayディスクを、12台のドライブに高速装てんするチェンジャーメカを搭載。RAID技術を活用し、12枚のBlu-rayディスクにデータを分散して記録することにより、書き込み/読み出し速度で最大216MB/sの高速データ転送性能を実現したという。メディアチェンジにかかる時間も、約1分とのこと。

 「Blu-rayディスクは、転送速度で劣るといった問題があるが、12枚のディスクに分散記録することにより、216MB/sのデータ転送速度を実現した。HDDの200MB/s、テープの160MB/sに比べても、それを上回る性能を発揮する」と田井氏は語る。

 チェンジャーメカを搭載したデータアーカイバーは約58kg。これを、6Uの19インチラックに6台搭載できる。

 RAIDは5および6にも対応し、耐障害性の要求レベルにあわせた選択が可能で、仮にドライブやディスクに不測の障害が発生しても、高い可用性と信頼性でデータを保護できるという。また、AES 256ビットの暗号化技術により、高いセキュリティ性も確保した。

 そのほか、ドライブユニットは業務用に専用設計したものを新開発。キーデバイスである光ピックアップには、筐体材料として強度および耐腐食性に優れるアルミダイカストを採用し、部品には長寿命青色レーザーやガラス製レンズ群を用いることで耐久性を高めたという。

 省電力性という点では、「Wake on LAN」に対応していることから、アクセスがないときにはリモート制御でスタンバイ状態に切り替えが可能。ドライブユニットや主要な回路の電源をオフにすることで、待機時には、約7Wの低消費電力を実現している。

(大河原 克行)