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AI時代が導く「仕様駆動開発」 開発者に求められるスキルも変化
2025年10月14日 11:22
仕様駆動開発ツールが相次いで登場
Vibe coding(AIに自然言語で支持を与えるコーディング)にみられるように、AIコーディングは「お任せ」になることが多い。これは、職人に「いい感じの家を建ててください」と依頼するようなものと言える。依頼する職人によっては、意図と全く違う結果になることがあるのだ。
AWSは7月15日、新しい統合開発環境(IDE)「Kiro」を紹介した。AWSのブログでは、一般的なAIエージェントの振る舞いを次のように説明している。
「現在のAIコーディングアシスタントの限界は、予測可能で非効率的なパターンに従う傾向にあることだ」。そして「AIは、プロンプトを与えると、要件を完全に理解する前に、コード生成に飛びついてしまう」と問題の核心を説明する。
AWSのブログによると、Kiroは、こうした問題を解決するため、チャットによる即時応答ではなく、仕様書ベースで開発を進めるように設計されている。
具体的には、プロジェクトの初期プロンプトから、「requirements.md(要求分析)」「design.md(技術設計)」「tasks.md(タスク分解)」という3つのMarkdown形式のファイルを生成。これをチームが共有・編集して、仕様の一貫性を保ちながら開発を進める。
また9月2日には、GitHubが仕様駆動開発を支援するツールキット「GitHub Spec Kit」をリリースした。「Specify(仕様化)」「Plan(計画)」「Task(タスク化)」というステップでMarkdown形式のファイルを生成して、コーディングの基盤にする点はKiroと同じだ。
Spec Kitの特徴は、特定のベンダー専用ではなくオープンソースで公開されており、VS CodeやGitHub Copilotなど既存の開発環境に統合できることにある。また最初からさまざまなAIエージェントに対応しており、今後の広がりが期待できる。